アイソトープ・放射線のはなし

東京都立産業技術研究所

はじめに

放射線は、病院等でのX線診断をはじめとして私たちの生活のいろいろな場面で利用されており、大変身近な存在となっています。一方、原子力発電所の事故による放射能汚染の問題は、現代の科学技術が、一歩誤れば私たちの生活に危険な影響を与えるおそれがあることを深刻に教えています。今、科学技術の新しい発展とこれを基礎とする生産技術の革新、先端技術産業の発展が急速に拡大しています。人の生活と科学技術のかかわりがこれまで以上に重大な課題となっている時代が到来していると言えましょう。放射線の利用は、その特質を生かした多方面の技術開発とともに、人や環境への影響を最大限考慮することによって普及されています。科学技術の開発に当たっては、その影響の研究と安全確保の研究がますます重要となっています。この「アイソトープ・放射線のはなし」は、放射線と放射性同位元素ラジオアイソトープ、以下アイソトープという)の利用および今後の研究について広く理解をしていただくことを目的として作りました。アイソトープ・放射線について考える手がかりとなれば幸いです。

目次

1.私たちと放射線のかかわり

• 1）宇宙は放射線でいっぱい
• 2）放射線の発見は約100年前
• 3）身のまわりの放射線
• 4）私たちが受けている放射線の量
• 5）放射線の生物への影響
• 6）放射線障害の現れ方

2.アイソトープ・放射線の利用のいろいろ

• 1）透過性の利用
• 2）吸収や反射の利用
• 3）物の性質の改善への利用
• 4）分析への利用
• 5）目じるしとしての利用
• 6）生物作用の利用
• 7）利用と安全確保

3.アイソトープ・放射線と私たちの将来

• 1）放射線利用の将来

アイソトープ・放射線のはなし　（平成16年3月）
編集　東京都立産業技術研究所