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アイソトープ・放射線のはなし 2.アイソトープ・放射線の利用のいろいろ(4)
印刷用ページを表示する 更新日:2016年12月19日更新
(4)分析への利用
分析しようとする試料を原子炉に入れて、中性子をあてると放射能を帯びるようになります。この現象を放射化といいます。
放射化された試料から放出される放射線(ガンマ線)を適当な装置で測れば、試料中の元素を分析することができます。このような方法を放射化分析といいます。
放射化分析には次のような特長があります。
- a.試料を壊したり、溶かしたりせずに分析できます。
- b.多くの元素を同時に分析することができます。
- c.他の元素分析法と比べて、分析感度が優れています。
放射化分析法を使っていろいろな試料の分析が行われています。
ナポレオンの死因をめぐって病死か毒殺か長い間論争がありました。放射化分析法でナポレオンの遺髪を分析したところ多くのヒ素が検出されました。
月の石や隕石などの貴重な物質の分析には、ごく少量の試料でたくさんの元素に関する情報が得られる放射化分析法が有利です。
現在、私たち取り巻く環境は多くの有害物質で汚染されています。これらの環境汚染の様子を解明するために、放射化分析法がよく利用されます。
放射化分析法のほか、放射線を利用した分析法で広く利用されているものに、ECDガスクロマトグラフ法や蛍光X線分析法があります。