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CEマーキングで使用する整合規格(EN規格)の調べ方と規格番号が示す意味

印刷用ページを表示する 更新日:2024年2月1日更新

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EUに一般産業機器や電気・電子機器などを輸出する場合、CEマーキングを実施する必要があります。CEマーキングを実施するには、その製品に適用される指令や規則に適合しているかを、それぞれの指令や規則に整合されたHarmonized Standard(整合規格)と言われるEN規格を用いて判断することになります。ここでは、整合規格の調べ方とEN規格の規格番号が示す意味について解説します。

(外部リンク)

整合規格の調べ方

整合規格リスト

主な指令や規則の整合規格リストは、整合規格に変更が生じると変更前の規格の有効期限などとともに更新され、EU官報に掲載されます。

整合規格リストのサマリー

整合規格リストのサマリー(Summary of reference of harmonized standards)は、欧州委員会のWebページHarmonised Standards(外部リンク)から入手することができます。図1に低電圧指令の整合規格リストのサマリーを例示します。整合規格リストはEU官報に掲載されてからサマリーに反映されますので、正式版はEU官報であることに注意が必要です。

EU官報で公表された整合規格のリファレンスの概要の見方の図

図1 EU官報で公表された整合規格のリファレンスの概要の見方(低電圧指令の例)
https://ec.europa.eu/docsroom/documents/57244(外部リンク)

欧州委員会のWebページ Harmonised Standards

ここで紹介したHarmonised Standards(外部リンク)から、各指令や規則のEU官報やガイダンス等も確認することができます。なお、参考情報として、RoHS指令についてはRestriction of Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment (RoHS)(外部リンク)からEU官報やFAQを入手することができます。また、お問い合わせの多いRoHS指令の適用除外用途の見直し状況に関してはImplementation of the RoHS Directive(外部リンク)に情報が掲載されています。

参考:​MTEP解説テキスト「CEマーキング入門シリーズ その4 RoHS指令(2023年3月)
   TIRI NEWS 2021年11月15日 「EU RoHS指令における銅合金中の鉛の適用除外について
   MTEPよくある質問(FAQ)「RoHS指令

EN規格番号の意味

低電圧指令の整合規格のひとつである「EN 61010-1:2010/A1:2019」を例として説明します。「EN」は欧州規格を示し「61010」は規格番号、「-1」は規格の部編成番号、「2010」は発行年、「/A1」は追補番号、「2019」は追補版が発行された年を示します(図2)。

「EN 61010-1:2010/A1:2019」と類似した規格に「IEC 61010-1:2010/AMD1:2016」がありますが、内容は若干異なりますので注意が必要です。「EN 61010-1:2010/A1:2019」はIEC規格を参照してEU独自の技術的な変更を含めたEN規格です。

図2 「EN 61010-1:2010/A1:2019」の例の図

図2 「EN 61010-1:2010/A1:2019」の例

国際規格(IEC規格)と各国規格について

ここでは、EMC指令の整合規格のひとつである「EN IEC 61000-6-1:2019」を例として説明します。「EN IEC 61000-6-1:2019」は国際規格の「IEC 61000-6-1:2016」を参照して2019年に制定されたEN規格です。同様に各国で以下のような規格が定められており、これらの規格はすべてIDT(identical:一致)となっています(IDTについては後述を参照)。

Electromagnetic compatibility (EMC) - Part 6-1: Generic standards - Immunity standard for residential, commercial and light-industrial environments
(電磁両立性-第6-1部:共通規格-住宅、商業及び軽工業環境におけるイミュニティ規格)

  • IEC 61000-6-1:2016
  • EN IEC 61000‑6‑1:2019
  • BS EN IEC 61000-6-1:2019
  • JIS C 61000-6-1:2019

日本のJIS規格「JIS C 61000-6-1:2019」とEMC指令の整合規格「EN IEC 61000-6-1:2019」はIDT(一致)となりますので、内容をJIS規格で確認することができます。JIS規格はJISC(日本産業標準調査会)(外部リンク)のWebサイトで閲覧することができます。

BS EN IEC 61000-6-1:2019」はEN規格を参照したBS規格(英国規格)です。EUでEN規格が発行された後、その規格を参照してEU加盟国が国内規格を発行する場合、例えば英国ではBS EN規格、ドイツではDIN EN規格として発行されます。

規格の一致性(IDT)の確認方法

EN規格やJIS規格、その他のBS規格などは、各国・各地域の規格です。これらの規格は基本的にはIEC規格やISO規格などの国際規格を各国・各地域の実情に合わせて各国・各地域が制定したものです。従って、これらの規格がIEC規格やISO規格などの国際規格と一致しているかどうかは規格ごとに異なります。この一致度合はISO/IECガイド21に定められており、各国・各地域の規格の序文や適用範囲などに記載されています。

参考:日本規格協会 ISO/IEC Guide 21-1:2005(外部リンク)
   (国際規格及びその他の国際規範文書の地域及び国家採用-第1部:国際規格の採用)

例えば、「EN IEC 61000-6-1:2019」の場合、Reference Documentに「IEC 61000-6-1:2019(EQV)」と記載されています(参照:CLC/TC 210 Electromagnetic Compatibility (EMC)(外部リンク))。EQVは「同等(技術的内容は同等ではあるが、表現は完全には対応していない)」を意味します。EQVは旧ガイド(ISO/IEC Guide 21-1:1981)で定められた表記で、現行のISO/IECガイド21では規定されていませんが、EN IEC 61000-6-1:2019とIEC 61000-6-1:2019は一致していると考えられます。

また、「JIS C 61000-6-1:2019」の場合、序文の注記5に「この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を、次に示す」とされており、IEC 61000-6-1:2016とIDT(一致)としています。従って、この場合は両規格共にIEC規格と技術的内容が一致していることになり、JIS規格に適合すれば整合規格であるEN規格にも適合していると推定することができます。ただし、JIS規格において電源電圧や設置環境の違いなどからIEC規格の技術的内容の一部を変更している場合はMOD(modified:修正)となっていることが多いため、注意が必要です(最終的にはEN規格への適用が必要)。

都産技研の海外規格閲覧サービス(無料)

都産技研本部に設置している専用端末(ライブラリーサーバー)で、BS EN規格の全規格を検索および閲覧いただけますので(閲覧のみで印刷は不可)、Web閲覧可能なJIS規格と併せて、EUに輸出する製品に適用される整合規格の内容を確認することができます。

さらに、都産技研では規格書の冊子版(一部、邦訳版も有り)を800冊程度取り揃えており、一部の冊子は複写可能です(有料)。複写については図書室のご案内をご覧ください。所有規格は海外規格閲覧サービスでご確認いただけます。

海外規格閲覧は事前予約制です。海外規格閲覧サービスからお申込みください。

※ CEN(欧州標準化委員会)やCENELEC(欧州電気標準化委員会)ではEN規格の販売を行っていないため、日本規格協会(JSA)は英語で記載されるイギリス規格協会(BSI)発行のBS EN規格を案内されています。
参照元:​日本規格協会 BS規格(外部リンク)

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免責事項

当解説は法規制に関する都産技研の見解等ではありません。関係機関発行の原文によりご判断ください。本解説の情報に基づいて行った行為により生じたいかなる結果に関しても、都産技研は責任を負いかねますのでご了承ください。

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