ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 成果発表 > 基調講演 講師インタビュー(AI・IoT)

基調講演 講師インタビュー(AI・IoT)

印刷用ページを表示する 更新日:2022年3月7日更新
基調講演講師インタビュー3_トップ画像

各業界を席巻するデジタルトランスフォーメーションの潮流。人工知能、IoT、クラウドなど最先端ITの導入支援を行う増倉 氏に、「TIRIクロスミーティング2021」基調講演でご説明いただいたDX化のポイントについてお伺いしました。


――DX化とはこれまでのIT化とはどう違うのでしょうか?また、日本におけるDX化は現在どのような状態なのでしょうか?

増倉氏:DX化といっても、ある意味昔から考えられてきたものであり、ユビキタス化やIT化などと考え方自体は変わっていません。

ただ、変わってきたのは、今までは一部の産業のみを対象としていたのが、ありとあらゆる業界・企業が影響を受けるという点です。できればした方がいいというものではなく、しないと死活問題になるという影響力の違いに差があると感じています。

大企業ではすでにDX化のための組織を作り、経営計画に盛り込んでいるところがほとんどかと思います。一方、中小企業では取り組んでいるところは取り組んでいますが、総じてなかなか手を付けられていない印象です。

増倉氏――中小企業がDX化に踏み切れていない要因は何だとお考えでしょうか?取り組みを始める際にどのようなところに気をつければいいでしょうか?

増倉氏:まず何をすればいいのかわからない、取り組む人材も不足しているというのが要因です。逆にいえば、何をすればいいか、どうすればいいかが分かれば、ある程度取り組みが進むのではないでしょうか。無償や低価なDX化ツールもあり、取り組んでみると意外と難しくないこともあります。

なお、最初のきっかけがない方は、都産技研でも実施されている各所で行われているハンズオンセミナーでもDX化のチュートリアルを行っていたりするので、そういったものを体験して意外と簡単だというのを感じていただくことがきっかけになるのではないでしょうか。

――DX化により、今後の製造業はどのように変化していくのでしょうか?これまで上流からの受注で生産していた中小企業においても、どういったことが求められているのでしょうか?

増倉氏:今までは現場を知り尽くした職人の経験と勘により、品質の担保や、精度向上に努めてきました。それが技術の進化と、少子高齢化などの社会構造の変化により、徐々にITに置き換わっていくことが予想されます。ビジネス自体は変わらなくてもプロセスが変わっていきます。

そんな中で、これまでのように指示されたものを作るだけでは、中国への依頼やクラウドソーシング、機械での制作になっていますので、競争が激しくなってなかなか利益がでないようになってきています。一方、大企業自身も今後どうすればいいかわかっておらず手探りの状態です。さらに、下請け企業に具体的な依頼が出せず、むしろ提案してほしい、一緒に考えましょうというスタンスにもなってきています。そのような大企業に対して我々はこう思う、こういう技術が提供できるということを伝えることで高く評価され、業界構造が少しずつ変わりつつあります。

――技術を導入した際の目標設定などで、現場と経営層で目標値のズレなどが生じてくる可能性があると思います。そのズレを少なくするにはどうすればよいでしょうか?

増倉氏:AIやIoTはあくまでツールなので、それを使ってどういうふうにしていきたいか、どんな製品を作りたいか、どういう価値を提供していきたいか、それによってどういう社会にしていきたいかという意思が重要です。

取り組みが進んでいる企業は、会社として取り組みの目的や方針を決め、そのためにどうしたらいいかを考えている企業です。それがないと現場もなぜやっているのか理解ができず、定着しません。目的意識やビジョンを打ち出すことが非常に大切であるといえます。

――聴講された皆様に期待することは何でしょうか?

増倉氏:まず触ってみてチャレンジしてみるということが重要です。困ったら都産技研や我々のようなDX化のパートナーに相談していただければよいですし、オープンで柔軟な心と積極性をもって、取り組んでいただくことを期待しております。


ページの先頭へ