音響分野について
音響技術分野では、【音響材料】、【低騒音機器】、【音響機器】の開発を支援しています。
【音響材料関連】 吸音材の吸音率試験、遮音材の音響透過損失試験、制振材の制振性能試験を行っています。
【機器騒音関連】 無響室及び半無響室にて騒音レベル測定、周波数分析、音響パワーレベルの測定を行っています。
【音響機器関連】 無響室を使用したスピーカなどの周波数特性測定、指向特性測定を行っています。
依頼試験
※依頼試験のご利用方法・ご利用料金は、依頼試験ページにてご確認ください。
材料の音響特性試験
- 残響室法吸音率測定
- 音響透過損失測定
- 制振性能測定(損失係数測定)
- 垂直入射吸音率・音響透過損失測定
- 床衝撃音レベル低減量測定
機器及び装置の音響特性試験 (機器騒音測定関係)
- 音圧・騒音レベル,心理音響評価量測定
- 音響パワーレベル測定 (半無響室)
- 周波数分析
- オクターブバンド分析
- 1/3オクターブバンド分析
- スペクトル分析
機器及び装置の音響特性試験 (音響機器関係)
- 周波数特性測定
- 指向性パターン測定
機器利用
※機器利用のご利用方法・ご利用料金は、機器利用ページにてご確認ください。
機器利用で使用できる主な機器・装置
機器・設備
※機器・装置名をクリックすると各機器・装置の詳細ページが開きます。
※機器・装置名の後ろに(機器利用)と表示されているものは、機器利用で皆様がご利用できる機器です。
音響材料関係
装置名称 | 特徴 |
---|---|
残響室 | 不整形七面体、室容積264m^3 |
結合残響室 | JIS A1416 タイプ2試験室、床衝撃音測定可 |
残響室法吸音率測定装置 | 材料の吸音率測定、機器放射音の音響パワーレベル測定 |
音響透過損失測定装置 | 材料の音響透過損失測定、床衝撃音測定 |
制振性能測定装置 | 損失係数の測定 |
音響管 (機器利用可能) | 垂直入射吸音率・音響透過損失測定 |
音響シミュレーション(材料) (機器利用可能) | 音響材料特性の予測 |
騒音分析関係
装置名称 | 特徴 |
---|---|
無響室 | 室内有効寸法 6.0×6.6×6.0m (歩廊上4.2m) |
半無響室 | 室内有効寸法 6.5×7.1×5.25m |
音響解析装置 | 機器放射音の分析、音響機器の性能試験 |
音響パワーレベル測定装置 | 騒音のパワーレベル測定 |
音源探査システム | 騒音の音源探査、放射音の可視化 |
心理音響分析システム | 音質評価指標の算出、音質シミュレーション |
防音シールド室 (機器利用可能) | 騒音の測定・分析 |
騒音計 (機器利用可能) | 騒音レベル測定 |
騒音分析装置 (機器利用可能) | 騒音の周波数分析 |
レーザードップラー振動計 (機器利用可能) | 機器の振動測定、超音波機器の性能試験 |
音響機器関係
装置名称 | 特徴 |
---|---|
無響室 | 室内有効寸法 6.0×6.6×6.0m (歩廊上4.2m) |
音響解析装置 | 音響機器の性能試験 |
ダミーヘッド(HATS) (機器利用可能) | ヘッドホン、イヤホン等の音響特性測定 |
この他にも様々な機器・装置があります。ご利用、ご質問などお気軽にご相談ください。
研究
音響材料、機器騒音、音響機器の各分野に関連した研究を進めています。いずれも、測定精度の向上や測定方法の確立といった試験・測定技術に関するテーマから、日常生活に関連した新製品・新技術開発といったテーマまで、いろいろな領域の課題に対して取り組んでいます。
音響材料関係
- ワークブースにおける音声情報漏洩防止に関する研究
- 低音域における膜材料の遮音性能測定法に関する研究 [PDF]
- 境界要素法を用いた非通気性膜材料の遮音性能予測 [PDF]
- ⼩試料による⾳響透過損失測定手法の開発 [PDF]
- 船舶用遮音性防火扉の開発
- 船舶用扉のルーバーによる遮音性能低下の改善 [PDF]
- 仮設住宅の界壁の遮音性能向上 [PDF]
騒音対策・サウンドデザイン関係
- 降雨状態を模した雨騒音評価方法の開発
- バドミントン打音のサウンドデザインに関する研究 [PDF]
- 背景騒音下で発生する異音の心理音響評価手法の開発 [PDF]
- 振動により製品から発生する異音の心理音響評価量を用いた評価手法の開発 [PDF]
- 振動により製品から発生する 異音評価方法の確立 [PDF]
- 医療用電動ファン付呼吸用保護具の改良(共同研究) [PDF]
音響機器関係
- 話者の音声特性を改善する難聴者聴こえ支援会話システムの開発(外部資金導入研究)
- 難聴者とのコミュニケーションをサポートするシステムの開発(共同研究) [PDF]
トピックス
都産技研では、騒音レベル測定や吸音率測定などの定型的な音響性能の依頼試験の他、対象となる製品の特性に合わせたオーダーメード型技術支援や共同研究をご提案しています。そのような特色ある測定事例の一部をご紹介いたします。
執務ブースの遮音性能評価
執務ブースは、音声の情報漏洩防止や室外からの騒音低減のため、高い遮音性能が要求されます。執務ブースの遮音性能は、組み立て方や、開口部の形状、材料の組み合わせによって大きく変化するため、組み立てた状態での遮音性能評価試験が求められます。
都産技研では、実験室(半無響室)内に執務ブースを設置することで、実際の製品使用時に近い環境での遮音性能評価を実施しています。
▼詳細はこちら▼
【シリーズ】製品の特性に合わせた音響性能の評価事例 ー 第1回:執務ブースの遮音性能評価 ー|東京都立産業技術研究センター
降雨時に生じる雨音の評価
傘や屋根材等で生じる雨音が騒音問題となる場合があり、静音化に向けた測定の需要があります。しかし、音響実験室や測定機器は水に弱いため、極力少ない水の量での試験が必要となります。
都産技研では、降水用タンクを使用した試験方法を実施しています。限られた範囲内にのみ降雨状態を再現することができるため、実験室での雨音評価を可能としました。
▼詳細はこちら▼
【シリーズ】製品の特性に合わせた音響性能の評価事例 ー 第2回:降雨時に生じる雨音の評価 ー|東京都立産業技術研究センター
感性を考慮した音質評価・音質改善
騒音の大きさは一般的には騒音レベル(dB)で表現されますが、騒音レベルだけでは判断できない音の違い(音質)を数値として表すことで、製品音の音質改善に役立てることができます。
都産技研では、人の聴感に近い録音方法(バイノーラル録音)や、音質改善シミュレーション、心理音響評価量を用いた音質評価によって、製品音の音質改善やサウンドデザインの支援をしています。
▼詳細はこちら▼
心理音響評価量を用いた製品音の評価|東京都立産業技術研究センター
相談
遮音・吸音など音響材料の性能評価・利用方法および建築・環境騒音の防止技術に係るご相談に対応しています。機械装置の騒音低減方法や音響機器の性能向上についてもご相談に対応しています。音響材料開発や低騒音機械の開発などの課題には、継続的な技術支援であるオーダーメード型技術支援を行っております。また、超音波関係については当センターで支援する「超音波応用懇談会」が産学公交流の場として活動しておりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。
相談項目
- 音響材料一般
- 吸音機構,遮音性能
- 防音材料の開発
- 工場、室内などの騒音対策
- 機械装置の騒音低減、音質改善
- 音響機器の評価方法
講習会
音響技術に関するセミナー・講習会を適宜開催しております。
都産技研全体のセミナー・講習会スケジュールに関しては、セミナー・講習会・イベントのページをご確認下さい。
【これまでに開催した主なセミナー・講習会】
- 騒音の基礎 セミナー (騒音に関する基礎知識から、騒音の評価方法と静音化のヒントについて)
- 現場で役立つ騒音測定技術 講習会 (騒音レベル・音響パワーレベルの測定方法について(実習あり))
- 騒音防止技術 -遮音・吸音・防振・制振- (騒音防止に関する基礎知識と音響材料のの役割、種類、材料適用について)
- 感性を考慮した音質評価・音質改善 (静音化から快音化へ向けた製品音のサウンドデザインについて)
- シミュレーションを活用した音響材料の開発 セミナー (音響材料の開発に有効な音響シミュレーションについて)