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LED照射恒温器(食品技術センター)

公開日:2026年10月1日 最終更新日:2026年10月1日

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食品技術センターではLED照射恒温器を新しく導入し、10月より機器利用を開始しました。

高照度LED照射と高精度温度制御による評価試験

LED照射恒温器は、最大25,000 lxの高照度LED照射と、恒温器としての高精度な温度制御機能を兼ね備えています。光照射時の温度上昇による影響を最小限に抑えながら試験を実施できるため、光による影響と温度による影響を切り分けた、より信頼性の高いデータを取得することが可能です。また、プログラム運転機能により、照度や温度を段階的に変化させながらの長期試験にも対応しています。食品、化粧品、医薬品等の光安定性評価をはじめ、包装材料の遮光性能評価や、新素材の光応答評価など、幅広い用途にご活用いただけます。

LED光源による光劣化試験の重要性

食品は光にさらされることで、脂質酸化による風味劣化、色素分解による変色・退色、さらにはビタミンの分解による栄養価の低下などが生じることが知られています。このような光劣化の評価には、従来、蛍光灯を光源とした試験が広く行われてきました。しかし近年、店舗や流通現場、家庭内の照明の多くがLEDへと移行しており、食品を取り巻く光環境も大きく変化しています。そのため、店頭保管時の品質変化を把握するための棚持ち評価や、実使用環境を反映した賞味期限設定を行うためには、LEDを光源とした光劣化試験が重要となっています。

装置の特徴

 

LEDは5面設置、各LEDは20~100%無段階調光

底面を除く5面に白色LEDが設置されています。全側面から均一に光を照射できるため、立体的な食品や飲料、油脂製品のボトル、また複数段の棚に試料を設置する場合でも影が生じにくく、試料全体に光を当てることが可能です(図1)。さらにLEDの照度は20~100 %の範囲で無段階に調整でき、最大25,000 lxまで設定可能です。実際の店舗照明環境の再現から、高照度条件による加速劣化試験まで、試験目的に応じてご利用いただけます。

図1 LED照射のイメージ図

10~50 ℃の精密な温度制御

冷蔵条件から常温、加速試験に適した高温条件まで幅広い温度設定が可能です。また、試料へ風が直接当たらない構造で、乾燥や品質変化への影響を軽減します。優れた制御技術により、高照度のLED照射時でも熱影響を最小限に抑え、光劣化試験を高い再現性で行うことができます。

ゆとりのある庫内容量 240ℓ

大型ボトルや背の高い容器も余裕をもって収納できる庫内容量を確保しています。また、網棚を5枚まで設置可能なため、同一条件下で複数の試料を同時に評価できます。

多彩なプログラム運転

プログラムは最大24ステップまで設定可能です。照度および温度を段階的に変化させることで、実環境を想定した昼夜サイクル試験等を実施できます。また、任意のタイミングでLED照射を0 %に設定できるため、夜間の消灯状態の再現や、試験終了時刻が夜間となる試験にも対応します。

活用事例

試料として抹茶粉末およびオリーブオイルを使用した例をご紹介します。試料はアルミシャーレに入れ、照射区はガラスのフタをしてパラフィルムを巻き、遮光区はアルミのフタ、パラフィルムを巻いた上からアルミホイルで包んでLED照射恒温器内に静置しました。装置の設定は25 ℃、25,000 lxとし、色差計により試料の色の変化を調べました。

その結果、抹茶粉末は5時間のLED照射によって緑味、黄味が減少し、明度が上昇しました。また、オリーブオイルは3日間のLED照射によって緑味、黄色味が減少しました(図2、図3)。

図2 LED照射による抹茶粉末(左A,B)およびオリーブオイル(右C,D)の外観変化
(A:抹茶、遮光5時間後、B:抹茶、照射5時間後、C:オリーブオイル、遮光3日後、D:オリーブオイル、照射3日後)
図3 LED照射に伴う抹茶パウダー(左)およびオリーブオイル(右)の色調変化のグラフ

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