ソーラーシミュレーター:模擬太陽光を利用した光電変換デバイスの特性評価
公開日:2026年10月1日 最終更新日:2026年10月1日

- 太陽電池や光電変換デバイスの性能を手軽に評価できる装置です。
- 1時間単位でご利用いただける機器利用サービスです。
- I-V曲線やFFなどの評価パラメータを自動で取得できます。
装置の特徴
カーボンニュートラルの実現に向けて、太陽電池をはじめとする光電変換デバイスの研究開発が活発に進められています。都産技研では、三永電機製作所製ソーラーシミュレーター XES-155S1を用いた機器利用サービスを提供しています。本装置は太陽光に近いスペクトルを持つ模擬太陽光を照射し、太陽電池のI-V特性や変換効率などを簡便に評価できます。研究開発用途だけでなく、市販製品の性能確認や品質評価にも活用できます。
装置は、疑似太陽光源ユニットと電気特性評価ユニットを組み合わせた構成となっています。図1にサンプルステージ(155 mm×155 mm)の写真と照射光のスペクトルを示します。照射光のスペクトルは300~1100 nmの波長範囲で標準太陽光条件であるAM1.5Gに対応するものとなっており、紫外から近赤外領域まで幅広い波長を含んでいます。ステージ上にはこの模擬太陽光を1 sun(1000 W/m2)の強さで均一照射することができます。照射ユニットにはシャッターが組み込まれています。手動とはなりますが、任意のタイミングで、ステージ上に安定した強度の模擬太陽光を照射できます。

電気特性評価ユニットは制御PCに接続されており、太陽電池の±端子を接続することで自動制御での評価が可能です。電池評価はExcelベースのソフトウェアにより簡単に実施できます(図2)。電池のI-V曲線はもちろん、開放電圧(Voc)、短絡電流(Isc)、曲線因子(FF)、変換効率(PCE)を自動算出でき、試作セルの性能確認や開発段階での性能比較やスクリーニングに活用できます。必要であれば掃引速度なども調整できるため、さまざまなタイプの太陽電池の評価に対応できます。

機器利用のご案内
機器利用をご希望の場合は事前のお問い合わせおよびご予約が必要です。初回は担当研究員が利用方法を説明するため、専門知識の有無を問わず利用しやすいサービスです。実際、大学や電子機器メーカーの研究者・技術者様だけでなく、品質保証部門や営業部門の方にもご利用いただいています。
利用可能なデバイスは、ステージに乗るサイズ(155 mm×155 mm)かつ重さ3 kg程度までという制限があります。評価対象の太陽電池と電気特性評価ユニットとの接続については、原則としてワニ口クリップで接合します(図3)。プローバーなどの準備はございませんので、端子出し等を事前に行った状態で評価デバイスをお持ち込みいただく必要があります。また、受光面以外を塞ぐ遮光マスク等も、必要であればお客さまがご準備ください。そのほか、特殊な条件等が必要な方は事前にお申し出ください。実績として太陽電池以外にも、模擬太陽光下での受光センサーの動作確認等にもご利用いただいた事例もございます。ご興味があればお気軽にお問い合わせください。

おわりに
ソーラーシミュレーターは、模擬太陽光を用いて太陽電池や光電変換デバイスの性能を簡便に評価できる装置です。研究開発用途はもちろん、市販製品の性能確認や品質評価にもご利用いただけます。太陽電池評価をご検討の際は、ぜひ都産技研の機器利用サービスをご活用ください。
用語説明
機器利用サービス
都産技研の提供する技術支援サービスの1つで、お客様が都産技研の保有する機器等をご自身で操作・利用して頂くことが可能です。なお、利用結果については、性能・成績証明などをしておりませんので、その点ご留意ください。
AM1.5G (Air Mass 1.5 Global)
中緯度地域(日本など)の地表付近における平均的な太陽光のスペクトルに相当します。都産技研では300~1100 nmの波長範囲でAM1.5G相当のスペクトル (JIS C 8912およびIEC 60904-3でA判定)の模擬太陽光を提供しており、お客様の機器利用毎に分光器によるスペクトル確認を実施しています。
1 sun (1000 W/m2)
日本の地表付近における真夏快晴時の太陽光の強さを表す単位です。都産技研では校正用の標準電池セル等で光の強さを調整しています。
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