ナノフォーカスX線CT装置
公開日:2025年5月1日 最終更新日:2025年5月1日

- ・ナノフォーカスX線源による高分解能でのX線CTスキャンおよび透過観察が可能
・CT断層画像の画素サイズ0.5 μmでのCTスキャンが可能
・繊維配向、異物・気泡の欠陥解析に対応可能
装置の特徴
本装置のX線源には、高い分解能を持つナノフォーカス管が搭載されています。ナノフォーカス管は一般的な産業用X線CT装置に搭載されているマイクロフォーカス管に比べてX線の焦点サイズを小さくできるため、高精細なCT断層画像を得ることが可能です(図1)。試料の大きさや材質等に依存しますが、CT断層画像の画素サイズが4 μm以下の場合には本装置でのCTスキャンが適しています(画素サイズ4 μmでの試料サイズは約φ6 mmになります)。数μmの微小な材料組織の観察や、試料中の組織や欠陥の3次元的な分布状態の評価ができます。FRP(Fiber Reinforced Plastics)や不織布、錠剤、カプセル剤等の樹脂や軽元素試料の観察および解析に広く活用できます。


図1 CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)のCT断層画像
【仕様】
最大管電圧:100 kV
最大管電流:200 μA
最高分解能:0.4 μm(JIMAチャート)
最大スキャンエリア:φ17 mm x 17 mm
※ 画素サイズ0.5 μmクラスでCTスキャンを行う場合には、試料サイズをφ1 mmより小さくしていただく必要があります。
活用事例
GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)試料のCTスキャンを行いました。断層画像の観察に加えて、繊維配向解析、異物・気泡の欠陥解析が可能です。図2では繊維配向解析を示しています。繊維配向解析では、繊維径、長さ、体積、テンソル等の解析に加えてSTL※1出力、解析結果に基づいた可視化が可能です(解析についてはオーダーメード型技術支援にて承ります)。




図2 GFRPの繊維配向解析
※1 STL:3D形状を表現するファイル形式
※2 ボリュームレンダリング:3次元的な広がりのあるデータを2次元画面に表示する技術
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