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米国TSCAにおけるPBT物質の規制について

印刷用ページを表示する 更新日:2022年5月15日更新

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近年、人の健康および生態系に対する影響の観点から、化学物質規制が厳しくなっています。米国における化学物質の規制は、有害物質規則TSCA(トスカ)という法律で管理されており、TSCAワークプラン(外部リンク)でリスクが高いと評価された5種類のPBT物質の規制動向が注目されています。ここでは、TSCAとPBT物質の概要および米国への製品輸出におけるPBT物質規制への対応について解説します。

MTEP/広域首都圏輸出製品技術支援センター TEL:03-5530-2126

(外部リンク)

米国TSCAにおけるPBT物質について

・TSCA

Toxic Substances Control Act は米国の有害物質規制法(外部リンク)で、日本の化審法やEUのREACH規則に相当する法律です。TSCAは、有害な化学物質が人の健康または環境に及ぼすリスク対策のため、商業用として米国で製造、加工、または輸入される「化学物質、混合物または化学物質、混合物を含有する物品」を規制するものです。

TSCAは米国環境保護庁(EPA)が管轄しており、EPAが化学物質の管理リスト(TSCAインベントリー)を作成して物質ごとに規定を設けて市場を監視しています。新規物質においては届出時点、また、既存物質においては4年ごとの製造、輸入、加工などの情報報告から不当なリスクが生じるおそれがあるとEPA長官が決定した場合は、その物質の使用が制限されます。この使用制限は重要新規使用規則(SNUR)で告示されます。

・PBT物質のリスク管理

PBT(Persistent, Bioaccumulative, Toxic)物質は、難分解性、高蓄積性、毒性を有する物質です。2016年のTSCA改正で優先評価物質に対する措置の導入および企業の義務が明確化され、第6条(h)項が追加されました。

第6条: 化学物質及び混合物の優先度、リスク評価並びに規制

(h)項 : 難分解性、生体蓄積性及び毒性を有する化学品

その後、2021年1月にEPAはTSCA第6条(h)の追加に基づき、PBT物質として下表の5物質を特定しました。これにより、PBT物質だけでなくそれらの物質を含有する混合物や成形品も禁止されることになりました(詳細はこちら(外部リンク))。

 

TSCA PBT 5物質
略称物質名TSCA 第6条(h)の適用分野例
詳細はこちら(外部リンク)
備考
DecaBDE

デカブロモジフェニルエーテル

電気製品や繊維製品、
プラスチック製筐体等の難燃剤 

HCBD

ヘキサクロロブタジエン

廃燃料の燃焼時に用いられる
ハロゲン化脂肪族炭化水素

PCTP

ペンタクロロチオフェノール

ゴム部品の剛性率向上のための
添加剤

PIP (3:1)

リン酸トリス(4-イソプロピルフェニル)

潤滑材やグリース、
工業用コーティング剤、
接着剤、プラスチック製品の
可塑剤や難燃剤

2,4,6-TTBP

2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノール

燃料等の添加剤や、自動車や機械の
メンテナンス用オイルや潤滑剤

 

PIP (3:1)を含む加工や流通に関する制限適用日の延長

PBT物質の一つであるPIP(3:1)(名称:リン酸トリス(4-イソプロピルフェニル))は、可塑剤や難燃剤になどに使用される物質で、消費者向け製品などにも使用されています。

PBT物質の制限は2021年1月から開始されていますが、PIP(3:1)については制限適用の開始を2022年3月8日以降としていました(No Action Assurance:ノーアクション保証)。そのため、多くの産業界がPIP(3:1)を含む成形品の加工や流通規制の動向を注視していました。

その後、EPAはPIP(3:1)を含有する成形品の適用日を2024年10月31日に延長することを提案する規則を公表し、意見募集を行いました。多くの意見があり、2022年3月に最終規則(外部リンク)が連邦官報で公布され、これによってPIP(3:1)を含む成形品の加工および流通は2024年10月31日まで認められることが決定しました(詳細はこちら(外部リンク)

 

米国への製品輸出におけるPBT物質規制への対応

DecaBDE, HCBD, 2,4,6-TTBPは米国TSCA以外にPOPs規則やEU RoHS指令、日本の化審法などでも規制対象とされていますので、化学物質情報伝達ツール(chemSHERPA(外部リンク))で対応可能です。また、PIP (3:1) の制限適用開始は、2024年10月31日に延期されることが決定しています。よって、現時点(2022年5月)では、PCTPが米国に限定された規制対象物質になりますので、この物質の対応が必要です。

参考:chemSHERPA(ケムシェルパ)に関する解説テキスト「chemSHERPAを使ってできること

MTEPでは、このほかにも海外の法規制に関するご相談に対応しております。お困りの際は、ぜひお問い合わせください。

 


 

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