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変わらない使命のもとで「総合力で頼りになる都産技研」を体現する

印刷用ページを表示する 更新日:2022年1月1日更新

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2021年度は第4期中期計画が始まり、11月には都産技研設立から100周年を迎えるなど、新たな節目を感じさせる年になりました。食品技術センターとの統合や、オーダーメード型技術支援の開始など、支援の幅を拡げる取り組みも始まっています。4月からの取り組みの振り返りと今後の展望について、3名の役員に話を聞きました。

(外部リンク)

第4期中期計画の新たな取り組み

――今年度から新たに第4期中期計画がスタートしました。第4期を振り返り、都産技研の現状や、印象に残っている取り組みについてお聞かせください。

奥村 第4期中期計画では、「総合力で頼りになる都産技研」という理念のもと、先端技術・社会ニーズに対応したプロジェクト事業の拡充や、「稼ぐ東京」の実現に向けたスタートアップ支援などの取り組みを推進しています。なかでもDX推進については、第3期に立ち上げたDX推進センターにて、5G・IoT・ロボットの開発環境を整え、今年度よりそれらの技術を掛け合わせた公募型共同研究を進めてきました。また、QOL(生活の質の向上)の関連する技術支援も強化し、ヘルスケア産業支援の拡充や、今年4月に統合した食品技術センターとのシナジーにも注力しているところです。

また、都産技研内部の取り組みとして、4月にデジタル化推進部を新たに設置し、所内のデジタル化を進めています。既存業務をデジタルに置き換えるだけでなく、データ活用によるさらなる支援サービスの向上を目指しています。

理事長

 

近藤 長引くコロナ禍のなか、このような状況だからこそ中小企業が輝いた場もあったように思います。特にロボット市場では、学習支援ロボット「ユニボ先生」をはじめ、服薬を促す支援ロボットや、流通倉庫で人の動きに追随する搬送ロボットなど、都産技研が開発協力を行ったロボットが活躍した印象がありました。

さらに障害者スポーツ用具の開発では、共同研究に携わったバドミントン用車いすが実際に東京パラリンピックで使用され、金メダル獲得に貢献できたのも記憶に新しいですね。

角口 SDGsをはじめ、環境への向き合い方がより問われるようになった1年だったと感じます。産業界全体として、脱炭素や資源の再利用などを強く意識していかなければ、市場に認めてもらうことは難しくなるでしょう。中小企業も例外ではなく、技術開発やフォーラムにおいても環境問題を意識したものが増えているように思います。

また、都産技研が設立100周年を迎えたのも今年度の大きなトピックでしょう。私は4月に理事に就任したばかりでしたので、100周年記念事業プロジェクトでさまざまなワーキンググループが精力的に活動しているところから、所員のチームワークの良さを感じることができました。

包括的な支援から新たなコラボレーションを

――支援事業および研究事業について、2021年度の現状や取り組みについてお聞かせください。

近藤 今年度より、従来のオーダーメード各事業と実地技術支援を統合し、新たに「オーダーメード型技術支援」をスタートさせました。お客さまの要望に応じたメニューを組み立て、部署を横断した包括的な技術支援を行うものです。始まったばかりで成果についてはこれからですが、支援事例を蓄積することで、よりお客さまに伴走した支援ができるものと期待しています。

また墨田支所の「におい分析試験」が、都産技研ならではの特徴的な技術分野における試験事業「都産技研ブランド試験」として追加しました。お客さまの高品質・高付加価値なものづくりに向け、より一層便利にサービスをご利用いただける体制を整えているところです。

事業化支援本部長

角口 研究事業においては、第4期で注力すべき「4つの柱」を立てました。1つめは「DXの推進」。第1次産業でのIoT活用など、Society 5.0の実現に向けた先端技術の導入支援を実施しています。2つめは「資源循環とサスティナブル社会」。100%天然素材で作られたストローなど、プラスチック代替技術の活用を進めています。

3つめの「産業を支える基盤となる研究開発」では、航空機産業への参入支援など、高クオリティを求められるものづくりに貢献してきました。最後は「超高齢化社会におけるQOL」。パラアスリート向け車いすで培った技術を、一般の車いすに転用するなど、高齢者や障害者のQOL向上を進めて参ります。4つの柱それぞれに絡むような研究成果が、中小企業とのコラボレーションで生まれてきていると考えています。

奥村 都産技研は都内に5つの支所があります。城東支所はデザイン、城南支所は精密加工、多摩テクノプラザは複合素材など、それぞれの支所に特徴があり、第4期ではその特徴をさらに鮮明に打ち出そうと設備改修やリニューアルを始めています。

都産技研設立のミッションを再認識し、次の100年へ

――「頼りになる都産技研」として、今後どのような活動を行っていくのでしょうか。次年度への抱負も含めお聞かせください。

奥村 未来に向けて現状を再認識したという意味で、設立100周年記念事業は都産技研にとって大きな意味があったと思っています。設立当時の「商工業者の“親切なる相談相手”であること」というミッションが、時代を超えても不変であることを認識できましたし、「ビジョン2050」の策定では若手が中心となって目指すべき将来像を議論してくれました。ロゴのデザインやイベントの企画に至るまで、さまざまな部署が連携して自前で準備を整えています。そのことに都産技研の総合力の高さを強く感じましたし、この経験は職員にも財産になったでしょう。協創的研究開発やオーダーメード型技術支援でも、部署を横断した連携をさらに押し進めてもらえたらと思います。

近藤 100周年事業では、新たに「INNOVATION PARTNERSHIP AWARD」という表彰制度を設けました。受賞された企業さまからは、「都産技研の装置があって良かった」「研究員とのディスカッションで問題が解決できた」という言葉をいただいています。「頼りになる都産技研」であり続けるためにも、お客さまに活用していただける機能を用意し、セミナーや人材育成事業の取り組みも進めていきます。

角口 今後注力すべきテーマとして、QOLの向上は非常に重要だと感じています。障害者支援やヘルスケアはもちろん、今年度からは食品技術センターとの統合によって、食の問題にも貢献できるようになりました。本格的な研究は2021年度以降になりますので、食の分野で良い研究成果が得られるのではと期待しています。こうしたQOL向上やSDGsに向けた取り組みをより外部にアピールすることにより、中小企業の方々の利用を促進できたらとも考えています。

開発本部長

 

奥村 ものづくり系のスタートアップやベンチャー企業の支援もより強化していきたいですね。ものづくりのイノベーションは、SF的な発想や夢をいかに形に落とし込めるかが重要です。夢を形にするお手伝いこそ、我々のような支援機関の出番でしょう。引き続き「総合力で頼りになる産技研」を体現していければと思います。

 

※ 感染防止対策に細心の注意を払い撮影を行っています。

(外部リンク)

理事長

理事長
理事長氏名画像(おくむら つぐのり)

東京大学大学院工学系研究修了(工学博士)
IBM ワトソンリサーチセンター客員研究員、首都大学東京(現 東京都立大学)理工学系長・同大学院理工学研究科長・同副学長などを歴任し、2016 年より現職。

 

事業化支援本部長

理事 事業化支援本部長
近藤 幹也(こんどう みきや)

信州大学大学院工学系研究科修了(工学博士)
東京都労働経済局繊維工業試験場編織技術部、都産技研開発本部開発第二部部長・同多摩テクノプラザ所長・同経営企画部長などを歴任し、2018 年より現職。

 

開発本部長

理事 開発本部長
角口 勝彦(かどぐち かつひこ)

九州大学大学院でエネルギー分野を学び、同大学助教授を務める。通商産業省工業技術院主任研究官、産業技術総合研究所つくばセンター次長、同関西センター所長を歴任し、2021年より現職。

 

 

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