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都産技研設立100周年記念イベントレポート 2

印刷用ページを表示する 更新日:2021年12月15日更新

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2021年11月24日、東京ビッグサイトで開催された「産業交流展2021」において、都産技研設立100周年記念イベントが開かれました。本レポートでは、「設立100周年記念講演会」および「設立100周年記念展示」の様子をお伝えします。

(外部リンク)

パネルディスカッション 動画 「都産技研100年のあゆみとこれから」


設立100周年記念講演会

基調講演 「日本のモノづくりの過去・現在、その先へ」

設立100周年記念式典後、午後から始まった「設立100周年記念講演会」では、国立科学博物館 産業技術史資料情報センター長 鈴木一義氏による基調講演が行われました。

テーマは「日本のモノづくりの過去・現在、その先へ」。“その先”のモノづくりのために、鈴木氏は温故知新・不易流行という言葉を引き、「相手の良いモノを受け入れる時代から、自分たちの良いところを伸ばす時代に来ている」と話します。

基調講演-1

 

基調講演-2

国立科学博物館 産業技術史資料情報センター長 鈴木一義氏による基調講演

 

独自の文化を持つ日本からは、さまざまな発明が生まれてきました。例として鈴木氏は「カメラ付きケータイ」「漆」「小型集積回路」などを挙げ、“ガラパゴス”と呼ばれるような独自の進化を遂げたものが、やがて世界のスタンダードになったことを説明しました。

「技術というのは相手との交流。こちらで作られたものが、相手の文化のなかでブラッシュアップされ、それが戻ってくる。そのキャッチボールの相手で居続けることが、素晴らしい文化を持つ日本の役割だと思います」(鈴木氏)

後半では、鈴木氏は日本のモノづくりの原点に立ち返り、江戸時代のモノづくりがSDGsを満たしてきたと実例を交えて話しました。近代になり、規格化や特許などの制度が整えられ、都産技研も産業発展の一助となりました。

最後に鈴木氏は「『日本のモノづくり』の先へ」として、「2つのモノ(者・物)」「2つのそうぞう(想像・想像)」が必要であり、それが「2つのしんか(進化・深化)」を生むと話しました。

「相手を倒してナンバーワンになるのではなく、それぞれの企業がオンリーワンを目指しながら切磋琢磨する。これからの時代はそうあるべきですし、その潮流は日本から生み出すべきでしょう。かつて鎖国を経験した日本は、物事をドラスティックに進める“進化”がなかなかできなかった代わりに、ひとつのことを深める“深化”が得意になった国です。次の100年に向けて、深化を深めていっていただければと思います」

パネルディスカッション「産業の発展と都産技研の役割」

続いて「産業の発展と都産技研の役割」をテーマに、パネルディスカッションが行われました。パネリストは基調講演に引き続き鈴木一義氏、株式会社メトロール代表取締役社長 松橋卓司氏、ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社 代表取締役 中石真一路氏、そして都産技研理事長の奥村次徳の4名。ファシリテーターはNHK解説委員の竹田忠氏が務めました。

前半は「過去利用企業を交えて都産技研の役割を紐解く」と題し、株式会社メトロールとユニバーサル・サウンドデザイン株式会社の業務内容と、都産技研との関わりについて語られました。

後半は、都産技研の「ビジョン2050」の策定に携わった都産技研職員が登場し、4つのビジョンそれぞれに込められた思いや、実現可能性、将来あるべき姿などついて、パネリストたちとディスカッションを交わしました。

竹田 忠 氏

<ファシリテーター>

NHK解説委員 竹田 忠 氏

鈴木 氏

<パネリスト>

国立科学博物館
産業技術史資料情報センター長
鈴木 一義 氏

メトロール 松橋氏

<パネリスト>

株式会社メトロール
代表取締役社長 松橋 卓司 氏

 

USD 中石氏

<パネリスト>

ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社代表取締役
中石 真一路 氏

奥村理事長

<パネリスト>

(地独)東京都立産業技術研究センター
理事長 奥村理事長

 

 

パネルディスカッションの様子1

 

パネルディスカッションの様子2

パネルディスカッションの様子

 

パネルディスカッションの最後は、「都産技研これからの100年」として、今後の都産技研への期待が語られました。


「日本のモノづくりにおいて、中小企業の若い芽を100年にわたり育ててきたノウハウはとても大きなもの。その実績と経験を今あるモノづくりに活かして、ぜひ次の時代につなげてもらえたら」(鈴木氏)

「モノづくりに必要な技術は、最終的に人に行き着きます。有機的な人とのつながりが問題解決の鍵となるでしょう。都産技研には技術を通じたネットワークがあり、引き続きコネクティングハブとなって中小企業をサポートいただきたいですね」(松橋氏)

「これからヘルスケアの分野がより重要になってきます。都の医療機関といったフィールドも活用するなど、ヘルスケア領域もそのネットワークに加えていただいたら、さらにパワーアップするのではないかと期待しています」(中石氏)

「ある中小企業の経営者の方から、『いいモノづくりに必要なのは、勘と度胸とどんぶり勘定』と伺ったことがあります。夢とロマンにあふれる経営者こそ、イノベーションの原動力となるのでしょう。その夢とロマンを形にするために、私たちは技術やデータの裏付けで支え、総合力で頼りになる都産技研を目指しています。走り続ける中小企業の皆さまの良き伴走者として、今後も引き続きお手伝いをさせていただければと思います」(奥村)

登壇者たち

 

設立100周年記念展示

会場内の都産技研ブース(首都圏テクノゾーン・次世代ロボットゾーン)には、「設立100周年記念展示」として、都産技研の歩みを記した年表や、都産技研の今と昔を比較したパネル展示が行われました。また、本部をはじめ各支所は、所属グループの技術分野における取り組みを展示。来場者は実際の成果物に触れながら、最先端の技術を体験していました。

さらに、都産技研の原点である府立東京商工奨励館の設立に渋沢栄一氏らが携わったことにちなみ、渋沢栄一の生涯を描くNHK大河ドラマ『青天を衝け』展を開催。番組紹介パネルや吉沢亮(渋沢栄一役)等身大パネル、衣装、小道具などを展示しました。

また、都産技研100年を契機に開局した無線局「東京都立産業技術研究センター 設立100周年記念局 『8J1TIRI』」の展示も行いました。

 

記念展示-1

設立100周年記念展示

記念展示-2

NHK大河ドラマ
「青天を衝け」展

無線局

 設立100周年記念局 『8J1TIRI』の展示

「設立100周年記念講演会」オンデマンド配信中

2021年11月24日に行われた設立100周年記念講演会の様子をオンデマンドでご視聴いただけます。

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