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ゆかりの人:第5回 米倉 茂男 氏

印刷用ページを表示する 更新日:2021年11月19日更新

米倉 茂雄 氏  (東京都立工業技術センター 無機化学部長

 

 米倉氏

(写真提供:東京都鍍金工業組合)

[在籍期間:1947年 から 1987年]

 

 

   東京都立化学高等工業学校(現・東京都立大学)を卒業後、工業奨励館・化学部無機科にて鉱石や無機物の分析・調査研究に従事しました。

  1960年代に入り工業用水の需要拡大に伴い、工業用水の分析と水処理技術の試験研究を行い工業用水の公定分析法の研究に携わります。1970年の組織改正と同時に無機化学部工業用水排水研究室の主任研究員、無機化学部長を経て、一貫して水質分析と管理技術、排水処理の研究と指導に従事しました。「めっきの排水処理」といった研究テーマに取り組み、公害防止対策の推進にも努めました。

  1987年には東京都鍍金工業組合環境科学研究所長に就任し、1989年に11月藍綬褒章を受章しています。

 

 

 

後輩研究員からの一言

  昭和45年に水質汚濁防止法が制定され、産業界への排水規制が本格的に開始されました。当時めっき業界は全国で3000社を超える有力な基礎産業の一つでしたが、有害物質を使用することや小規模企業が多いことから対策は一筋縄では行かず、多くの困難を抱えていました。通産省(現経産省)は全国のめっき組合や地方公設試と共同して排水処理技術の開発確立と普及を図り、今日の技術仕様を作り上げて来ました。

  米倉氏は、この時期に排水処理技術の確立と普及の指導者として全国で活躍した方です。また、氏は排水分析関連JISの委員を長く勤め、排水分析技術の発展を考慮した処理技術の開発にも努めていました。

  私が昭和49年に東京都立工業技術センター(当時)に入所した時の研究室の主任研究員が米倉氏でした。氏は豊富な巡回指導経験と業界との人的つながりを活用して、排水対策の課題を抽出し、技術開発に取り組み、その成果を再び巡回指導や講演等で業界に還元していました。氏の技術課題への取り組む手法は当時の私に大きな影響を与え、中小事業者の立場から環境対策を考える現在の私の姿勢は、氏からの継承です。

      後輩職員

        プロセス技術グループ
        コーディネータ・相談員
        小坂 幸夫 

 


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