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ゆかりの人:第4回 仙田 富男 氏

印刷用ページを表示する 更新日:2021年11月19日更新

仙田 富男 氏  (東京都立工業奨励館 主任研究員

 

仙田氏 

(写真提供: (一社) 映像情報メディア学会)

[在籍期間:1952年 から 1965年]

 

 

   1945年に東京帝国大学工学部卒業、大学院特別研究生、東京大学講師、生産技術研究所研究員を経て、工業奨励館加工研究室主任研究員としてX線透過による非破壊検査の研究開発に携わりました。

   在籍中の研究に「マグネサイトの熱分解によるマグネシアの生成に関するX線的研究」(『工業奨励館報告』No.1 1952年3月)などがあります。

  非破壊検査技術の第一人者として学会や産業界で名が通っており、後に非破壊検査(株)を創業する山口多賀司氏とも関わりがありました。1955年に東京ガスが日本で初めて高張力鋼板を採用した球形タンクを建設するにあたり、その溶接部の非破壊検査に協力しました。

 

 

 

後輩研究員からの一言

 

   仙田富男先生は、わが国の放射線非破壊検査の基礎を建てられた方の一人で、そのご研究は、溶接溶融金属の組織挙動、硫化物に起因する凝固割れのメカニズム、溶接部の放射線非破壊試験におけるキズの評価基準、放射線非破壊検査の像質改善方法、散乱線影響評価、線源と感光部の組み合わせと識別度の関係など多岐に渡り、また、溶接部の安全・安心に係る包括的なものでした。現在でも技術者向けのテキストには先生のご研究によるデータが数多く掲載されています。

   小職が都産技研で取り組んでいるデジタルラジオグラフィは、放射線非破壊検査の業界に大きな変化をもたらしています。このような節目の時代に、偉大な先輩の業績を振り返る機会を得たことは有難く、先生の幅広い視野と姿勢を目標に励んでいきたいと思います。

  

     後輩研究員

    計測分析技術グループ 主任研究員
    河原 大吾  

 


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