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熱衝撃試験機

公開日:2025年4月15日 最終更新日:2025年4月16日

熱衝撃試験機
  • 熱衝撃(ヒートショック)試験を行うことができる装置です。
  • JKA補助事業により、中型の熱衝撃試験機を1台増設しました。

熱衝撃試験(ヒートショック試験)とは

物質は温度の変化によって膨張・収縮します。温度変化による膨張・収縮の度合いを熱膨張率と呼び、物質によって異なります。 異なる物質を貼り合わせた製品では、温度変化による膨張・収縮の度合いが物質間で異なるため、製品中にひずみが生じます。そのため、温度変化が繰り返されることによってひびや亀裂が発生し、拡大することがあります。熱衝撃試験(ヒートショック試験)とは、試験品に急激な温度変化を繰り返し与えることで、意図的に膨張・収縮を引き起こし、製品の不具合を調べる試験です。例えば、基盤上のはんだ剥がれや、めっき・塗装などの表面剥離や膨れ、プラスチックのクラックの発生などを確認することができます。

ダンパー式熱衝撃試験機(3槽式)の仕組み

3槽式熱衝撃試験機は、高温槽、試験槽、低温槽の3槽に分かれており、高温槽と低温槽でそれぞれ空気の温度を調整します。  試験槽には高温槽または低温槽から、設定した温度の空気が短時間で送りこまれます(図1)。これにより、試験槽の試料へ急激な温度変化を与えることができます。熱衝撃試験装置では、この急激な温度変化を、高温から低温、低温から高温へと繰り返し試験することが可能です。 

図1 熱衝撃試験機

都産技研における熱衝撃試験機を用いた試験

熱衝撃試験機は、通線孔を備えており、通電を行いながら試験を行うことができます。また、装置の運転と連動した電源も備えており、熱衝撃試験終了時に電源をOFFにするといった動作も可能です。
なお、実際の試験は図3のように進行します。サイクルごとに、試験品の一時取り出しや確認も可能です。そのため、段階的な劣化評価にもご使用いただけます。

図2 装置詳細写真
図3  175℃、-60℃各30分さらし条件の熱衝撃試験例 

中型の熱衝撃試験機の増設

2024年度には1台増設し、中型の熱衝撃試験機 が計3台になりました。これにより、今までよりご利用しやすくなりました。この機会にぜひご活用ください。ご連絡をお待ちしております。

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