オゾンウェザーメータ
公開日:2025年2月1日 最終更新日:2025年2月1日

- ゴム、繊維などのオゾン劣化を促進する試験装置
- -20℃までの低温設定が可能
- 試験片の引張ひずみにおける、動的または静的試験が可能
オゾン劣化試験について
大気中のオゾン(O3)は、タイヤなどのゴム製品の劣化(亀裂の発生、引張強度や弾性の低下)や、繊維製品、デジタルプリント写真の変退色の原因となります。オゾンウェザーメータを用いて、人工的に発生させた高濃度のオゾンに材料を暴露することで、耐オゾン性を実際の劣化よりも短時間で評価することが可能です。

試験装置について
装置はオゾンウェザーメータOMS-HWZ(スガ試験機株式会社製)です。表1に諸元を示します。このオゾンウェザーメータは種々の環境を再現できるよう、オゾン濃度を低密度では20~250 pphm、高密度では2.5~10 ppmの範囲に設定できます。この装置の最大の特徴は、最低設定温度が-20℃であることです。寒冷地におけるゴムの亀裂発生要因としてオゾン以外にも、水分の氷結や解氷などが考えられます。寒冷地を想定した劣化促進試験にご活用ください。試験片に与える引張ひずみは、試験片サイズによって変化しますが、最大100%です。試験時は使用環境で予想されるひずみ量を選択できます。試験方法は静的な引張ひずみを与えながらオゾンを暴露する静的オゾン劣化試験と、往復運動により動的な引張ひずみを与えながら暴露する動的オゾン劣化試験が行えます。
表1 装置の仕様
OMS-HWZ 仕様 | |
---|---|
オゾン濃度 | [低濃度]20~250 pphm [高濃度]1~200 ppm |
温度範囲 | -20~60℃ |
槽内寸法 | 幅500×奥行き500×高さ500 ㎜ |
試験片 | [静的オゾン劣化試験] 寸法:幅50 ㎜以下×長さ60~120 ㎜×厚さ3 ㎜以下 試験片数:1~16個 ひずみ量:40~175 ㎜
[動的オゾン劣化試験] 寸法:幅25 ㎜以下×長さ60~120 ㎜×厚さ3 ㎜以下 試験片数:1~12個 ストローク量:最大50 ㎜ 繰返し速度:0.5±0.025 Hz |
槽内
図2のように槽内には試験片の設置台が備わっています。設置台は2 rpmの速度で回転させることができます。槽内の底面にオゾンの吹き出し口があるため、底面に試験片を設置することはできませんのでご注意ください。静的試験時は図3(A)のように、専用ホルダーを用いて試験片を装置に設置します。また動的試験時は図3(B)のように、引張装置に試験片を設置します。槽内は室内灯が備わっているため、扉の前面窓から試験状況を観察することができます。

.jpeg)
材料の観察装置
また、多摩テクノプラザでは、デジタルマイクロスコープをご利用いただけます。亀裂の発生など、オゾン劣化試験後の材料形状や表面状態の観察にご活用ください。

関連情報
仕様および利用料金については設備ページをご覧ください。
同じカテゴリの記事