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「TIRI クロスミーティング2022」「産業交流展2022」イベントレポート

印刷用ページを表示する 更新日:2022年11月1日更新

トップイメージ

2022年10月19日より21日までの3日間、東京ビッグサイトにおいて、都産技研を知るそしてつながるマッチングイベント「TIRIクロスミーティング2022」が開催されました。「産業交流展2022」とは初の同時開催となり、都産技研ブース(首都圏テクノネットワークゾーン・次世代ロボットゾーン)には多くの方にご来場いただきました。

本レポートでは、「都産技研表彰-INNOVATION PARTNERSHIP AWARD-」表彰式の様子およびパネルディスカッションの様子をお伝えします。なお、都産技研表彰およびパネルディスカッションの様子は、11月11日までクロスミーティング2022特設サイトにてオンデマンド配信しております。ぜひご覧ください。

クロスミーティング2022特設サイトはこちら https://cm2022.iri-tokyo.jp/​(外部リンク)

(外部リンク)

都産技研表彰 - INNOVATION PARTNERSHIP AWARD 2022 -

初日には、「都産技研表彰 -INNOVATION PARTNERSHIP AWARD 2022-」の表彰式が行われました。同賞は、都産技研設立100周年を機に、都産技研を利用し都内産業を牽引してきた優れた中小企業を表彰し、東京都におけるイノベーション創出の発展に導くことを目的として設立されました​。

第2回となる今回は、多種多様な産業に展開可能な高純度ナノレベルでのコーティング製品の開発に取り組み、東京都における技術革新の創出への多大なる貢献を認められ、​ハドラスホールディングス株式会社(外部リンク)が受賞しました。代表取締役社長 山本 英明​ 氏の受賞の言葉の後、同社の紹介動画も流されるなど、取り組みとその成果がわかりやすく紹介されました。

理事長の黒部 篤から、賞状、トロフィーとともに祝辞が贈られました。

 

表彰式の写真
表彰式の写真

 

パネルディスカッション「製造DX -AIやIoTの活用について改めて考える-」

「製造現場においてどのようにデジタル化・DXに取り組むか」を議題に、製造業にAIを提供するAIベンダーや、工場の見える化に取り組んでいる企業、AI・IoTの技術開発に精通した学識経験者の方をお招きし、パネルディスカッションを行いました。

パネリストは東京都立産業技術大学院大学 学長の橋本 洋志 氏​、株式会社名取製作所 代表取締役の名取 秀幸 ​氏、株式会社MAZIN 代表取締役の角屋 貴則 氏。モデレーターは情報システム技術部IoT技術グループ長の大原 衛が務めました。

 

橋本氏の写真

東京都立産業技術大学院大学
橋本 洋志 氏

名取氏の写真

株式会社名取製作所
名取 秀幸 氏

角屋氏の写真

株式会社MAZIN
角屋 貴則 氏

熟練の技術をシステムで補填、DXによる見える化で生産性アップ​

登壇された2社は、都産技研との共同研究で、自社のDX化に取り組んだ事例を紹介しました。

株式会社MAZINは、熟練工にしかできない技術をシステムで補填するため、都産技研と共同研究に取り組みました。

射出成型の現場は熟練工による条件調整によって品質が保たれており、後継者の育成が困難な事例が多く見られます。熟練工の引退後も成型品の品質を確保するため、IoTやAIを用いた射出成型機の高度化や自動化に関連した技術開発が求められています。共同研究では、射出成型機のIoT化によって成型時の稼働データや金型内部に設置したセンサーのデータを収集し、それぞれのデータを活用したAIによって最適な成型条件を自動探索する技術を開発。熟練工による調整と同等の射出成型品質を確保できるようになりました。

一方、主に自動車部品の金属加工を手掛ける株式会社名取製作所は、IoTデータを活用した生産状況のばらつき可視化に取り組み、品質向上および収益性改善を実現しました。

情報基盤システム(materials informatics​)を取り入れ、従業員の作業内容や設備稼働状況などのデータを統合しすることで、現場で働く人々がどのように生産にかかわっているかを可視化しました。品質や進捗、工程を管理するだけでなく、出来高の多い従業員が作業中にどのような工夫をしているかを見つけ、共有することが可能になりました。客観的な事実をもとに作業の振り返りができるようになったことで、品質や生産性の向上を実現しました。

「中小企業の強みとして、少量多品種の商品の製造や仕様の変更に、迅速に対応できるという点が挙げられます。社内のDX化を進める際に、社長から現場まで、どのようにデータや思いを共有するかが鍵になります。収集したデータの中で、どのデータを従業員に開示するか、慎重に選択する必要があります」(橋本氏)

 

パネルディスカッションの風景

 

AI・IoTを使って何をしたいか​

社内のDX化を進めるには、データ収集の手間やコスト面での課題など、さまざまなハードルを乗り越える必要があります。これからAI・IoTの導入を考える企業に向けて、それぞれからアドバイスをいただきました。

「例えば、工具交換の時期を教えてくれるシステムを導入する場合、交換の基準をデータから学習する工程が必要になります。そのような属人的なルールをAIに置き換える場合、何のデータに着目にすればよいか仮定があると、​収集するデータの量が少なくて済みます。

自社の課題が、実は他社と共通の事例であることも多いので、その場合は当社のノウハウを展開できます。ただAIを使いたいというだけでなく、AIを使って解決​したい課題が明確になっていると、比較的スムーズにシステムを導入いただけると思います」(角屋氏)

「IoT導入にあたって、データの収集は従業員にとって負担になってしまいます。今回は、都産技研の研究員の方に、社内のチームの一員として従業員に説明していただいたことで、すんなりと協力を得ることができました。

デジタル化するのが目的ではなく、デジタル化を通して何を実現したいのかが重要です。導入前に、目的意識を明確にしておく必要があります」(名取氏)

「DX化のハードルを乗り越えるには、社内の目的意識の共有が不可欠です。導入を検討している企業さまは、効率よく作業を進めるために何が必要かを吟味していただければと思います」(橋本氏)

都産技研は中小企業との共同研究を通じて、5Gを利用したロボットやIoT関連の製品開発を促進する「公募型共同研究」を実施しています。2023年度4月開始の共同研究テーマを募集中ですので、ご興味のある企業さまはぜひご検討ください。

詳細はこちら ⇒
【中小企業の5G・IoT・ロボット普及促進事業】2023年度公募型共同研究募集のご案内

オンラインイベント情報

クロスミーティング2022 オンデマンド配信

今話題の脱炭素技術に関する基調講演や、リアル開催で行った製造DXに関するパネルディスカッション、参加者からの注目度が高かった都産技研所有の技術シーズの口頭発表をご覧いただけます。 ※イベント参加には参加登録が必要です。

  • 日時:2022年10月26日(水曜日)から11月11日(金曜日)
  • ウェブサイト:https://cm2022.iri-tokyo.jp/(外部リンク)

【プログラム】

  • 基調講演「脱炭素の切り札となるCO2と水素で創る合成燃料」
    里川 重夫 氏 (成蹊大学理工学部 教授)
  • 都産技研表彰 -INNOVATION PARTNERSHIP AWARD-
  • パネルディスカッション「製造DX -AIやIoTの活用について改めて考える-」
  • 注目の技術シーズ

産業交流展2022 オンライン展

360°VR展示会として、リアル展示会と同じように展示物やパネルをご覧いただけるほか、資料のダウンロードも可能です。

展示内容の写真
展示内容の写真

産業交流展2022 会期中の様子


 

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