Q42:サプライヤーの製品カタログ等で「RoHS指令対応」と明記されていれば、その情報を非含有のエビデンスとして良いでしょうか。
最終更新日:2025年3月6日
RoHS(II)指令の適合性確認
RoHS(II)指令の適合性確認は、整合規格であるEN IEC 63000:2018(有害物質の制限に関する電気・電子製品の評価のための技術文書)で行います。
EN IEC 63000:2018では適合性確認を行う上で必要とされる技術文書を下記のように示しています。
- サプライヤーによる自己宣言、および/または (and/or)契約上の合意
- 材料宣言
- 分析試験結果(EN 62321に基づいた分析方法による)
これらを複数揃える形とするか、また一つだけ揃える形とするかは、製造者の下記の評価(アセスメント)に基づくとしています。
- 材料、部品、半組立品に特定化学物質の含有の可能性
- サプライヤーの信頼性格付け
製造者が、カタログなどの記載内容が適正かどうかを主体的に評価・確認した上で、サプライヤーのカタログにRoHS(II)指令対応の記載があれば、適合性確認を行う上での技術文書と見なすことができます。
特定有害化学物質の含有の可能性
特定有害化学物質の含有の可能性については評価者が技術的判断を行いますが、EN IEC 63000:2018では
技術的判断は電気・電子産業で活用されている技術的情報に基づいても良く、電気・電子機器に使用されている材料/部品のデータシートに基づいても良い
とされ、
アセスメントとして決められた手続きは品質マネジメントシステムかその同等システムの一部に組み入れることができる。
としています。
社内でISO 9001マネジメントシステムを構築していれば、設計・開発管理(8.3.4)、設計・開発の検証、妥当性確認の参加要件などを評価者の要件に利用できます。
サプライヤーの順法確認
サプライヤーの順法確認については、EN IEC 63000:2018では、「サプライヤーの過去の経験」や「サプライヤーの出荷試験や検査の結果」から評価するとしています。
この評価は貴社内でISO 9001の「外部から提供されるプロセス、製品およびサービス管理(8.4)」で手順を確立しておくことで、高い説得性を持って行うことができます。
ただし、RoHS(II)指令の対応は、サプライチェーン全体での対応が求められることから、自社都合だけでなく、サプライヤー視点を含めての検討が重要となります。
上記の方法によってカタログ内容やサプライヤーからの提供物の適合性を確認した上で、EU適合宣言書を作成し、完成品にCEマーキングを貼付して、貴社製品の適合性を宣言することとなります。
留意事項
「RoHS指令対応と明記」は前述のように、適合性確認を行う上での技術文書と見なすことができますが、RoHS指令は、
- 附属書II(第4条に定める規制物質および均質材料中の重量比での最大許容濃度
- 附属書III(第4条1項の規制から除外される用途)
- 附属書IV(医療機器と監視及び制御機器に関し第4条1項の規制から除外される用途)
が改正されますので、サプライヤーの適合宣言日は確認しておくことが肝要です。