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40 RoHS(II)指令に対応するためには、 構成部品すべての特定有害化学物質情報を入手する必要がありますか?

印刷用ページを表示する 更新日:2023年7月1日更新

RoHS(II)指令における製造者の義務

RoHS(II)指令では第7条(製造者の義務)で製造者に以下の対応を義務付けています。

(a) 電気電子機器 を上市する時は、製造者は第4条(予防)に規定されている要求に従い設計、製造されていることを確実にすること

(b) 製造者は、要求されている技術文書を作成し、決定(EC) No 768/2008 の附属書IIのモジュールA に従い、内部生産管理手続きを実施するか、または実施させること

(c) 電気電子機器 の適切な要求への準拠が (b) に言及される手順より証明される場合、製造者は、EU 適合宣言書を作成し完成品にCE マーキングを貼付すること
他の共同体法令が少なくとも厳重な適合性評価手順の適用を要求する場合、製造者はこの指令の第4条(1)の要求への準拠はその手順の文脈に含めて証明することができる。単一の技術文書を作成することができる。

(d) 製造者は、技術文書とEU 適合宣言書を当該電気電子機器 の上市後10 年間間保管する。

(e) 製造者は、適合性を存続するためシリーズ製品に対する手順が決まっていることを確実にする。
製品設計または特性の変更および電気電子機器 の適合性が宣言されるため参照している整合規格、または技術仕様の変更が適切に考慮されなければならない。

(f) 製造者は、非適合電気電子機器 および製品リコールの記録を保持し、それについて流通業者に告知できる状態にしていなければならない。

 

技術文書の作成

技術文書の作成にあたりサプライヤーから収集する情報として、RoHS(II)指令の整合規格であるEN IEC  63000:2018(有害物質の使用制限に関する電気・電子製品の評価のための技術文書作成)は、次の三つの資料を挙げています。

  1. サプライヤーによる自己宣言書、および/または (and/or)契約上の合意
  2. 材料宣言(IEC 62474:2012の4.2.3に規定される要求事項を満たすことが望まれる)
  3. 分析試験結果(EN 62321シリーズに基づいた分析方法による)

自社製品が第4条の要求に従い設計、製造されていることを確実にするには、原則として、サプライヤーから提供されるすべての部品について、特定有害化学物質情報を入手し、適合性を確認することが必要です。

ただし、入手する情報レベルに関しては、EN IEC 63000:2018の「4.3.2 必要な情報の決定」において、製造者が材料・部品等における物質の含有可能性やサプライヤーの管理状況等を踏まえたリスク評価を行い、その評価結果に基づいて、サプライヤーから収集する情報の量や規模を製造者が決定することになっています。

上述のサプライヤーから入手する情報も、製造者の判断で資料を一種類だけ求めるか、複数を要求するかを判断します。

 

リスク評価

リスク評価の基本的な考え方として、リスクをゼロとすることはできないので、企業内でのさまざまな工程の中から、許容できるリスクを超える場合に、そのリスクを許容範囲内まで下げるための管理レベルの設定、サプライヤー管理の強化を行うというものがあります。

その際に有用なアプローチとしては、ISO 9001(品質マネジメントの国際規格)でのプロセス管理や、IPO (Input Process Output) 分析によるサプライチェーン全体の俯瞰などがあります。

注意点として、法的義務だからと言ってあまりに多くのことをサプライヤーに要求すると、抜けが生じてしまう可能性があります。自社でよく検討し、要求事項を極力絞ることが、結果的に情報の漏れ防止、自社製品の適合性実現につながると考えられます。

 


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