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38 生産工程で使用する工具類についても、 特定有害化学物質の非含有証明が要求されましたが、どこまで対応すべきでしょうか。​

印刷用ページを表示する 更新日:2023年7月1日更新

コンタミネーションの可能性

​​工具類から製品に特定有害物質が付着する(コンタミネーション)の可能性はゼロではありません。一部のセットメーカーのグリーン調達基準などで、工具類の特定有害化学物質の非含有証明を要求している例はあります。

 

RoHS(II)指令の適合性評価手続き

RoHS(II)指令の適合性評価手続きは、決定(EC) 768/2008の附属書II「適合性評価手続き モジュールA(内部生産管理)」を選択することが指定されています。

その第3項では

  • 製造者は製造工程及びその監視が、製造した製品を技術文書及び適用される法令の要求事項へ適合していることを確実にするために必要なあらゆる処置を実施しなければならない

と記載されています。

製造者が、特定有害化学物質が非含有であることを保証することが必要になりますが、現実的には製造工程内で使用する工具すべてについて調査するのは困難な場合があります。

その場合の考え方としてRoHS(II)指令の整合規格EN IEC 63000:2018に記載されているリスク評価を用います。EN IEC 63000:2018ではすべての素材、部品、サブアセンブリについて特定有害化学物質の含有率を測定することは求めておらず、含有リスク評価の考え方に基づいています。

 

リスク評価の方法

BOM check

リスク評価の方法としてBOM check(外部リンク)の「評価マトリックス」による方法があります。

評価マトリックスは「RoHS(II)指令適合性についての製造工程の信頼性」×「二次汚染が考えられる特定有害物質の含有確率」のマトリックスで考えられます。

このリスク評価マトリックスで、製造工程で使用する工具の腐食やめっき部分のはがれ等の経年変化により製品への付着・混入する事がないこと、もしくは混入しても特定有害物質の含有確率以下であることを判定した根拠を示すことです。

BOM check:英国 ENVIRON 社が運営する集中管理型の情報伝達システムで、非営利団体であるCOCIR European Tradeが立ち上げた共有Webデータベースシステムです。EU圏で活用が進んでいるツールです。

含有リスクが高い場合

独自に物質の含有率を分析して、その結果を技術文書の確証とします。

含有リスクが低い場合

評価マトリックスによる判定で含有リスクが低いと判断した旨を技術文書に記載します。

一般的な作業の場合

ただし、一般的な作業であるドライバーでネジを締めつけるなどの作業では、コンタミネーションの可能性(リスク)は低いと思われます。

このような場合は、BOM check の「リスクの一次審査(3.3.1)にある「RoHS物質が含有されていないことを独自の技術判断を用いて行う」ことでもよいと思います。

工具の選定、作業方法は、リスクをベースに管理

工具の選定、作業方法は、リスクをベースにして、重点管理作業項目の特定、工程の特定、工程表の作成、生産段階における管理項目のチェック、記録の保管、予期しない問題発生時における原因の特定と再発防止策の構築など、工程全体を正しく管理する仕組みを検討し選択するようにします。

 

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