Q19:RoHS(II)指令に対応するためのサプライヤー管理について教えてください。

最終更新日:2025年3月3日

RoHS(II)指令の要求事項

川下企業(製造者)がRoHS(II)指令に対応するためには、川下企業のサプライヤーからRoHS(II)指令附属書II にリストされている特定有害化学物質が非含有の部品を供給してもらうこと、およびサプライヤーの管理状態が明確であることが必要です。

川下企業だけではRoHS(II)指令に対応することができないため、サプライヤーの協力が必要です。

自社の製品含有化学物質の管理基準について

サプライヤーのRoHS(II)指令に対する管理状況を確認するには、購入する製品が自社の製品含有化学物質の管理基準を満たすように管理することが必要です。

RoHS(II)指令に見合う管理基準については、整合規格EN IEC 63000:2018ならびに決定(EC)768/2008の附属書II のモジュールAの要求事項から、ISO 9001同等の管理システムが求められているといえます。

なお、ISO 9001:2015におけるサプライヤー管理の項目は「8.4 外部から提供される製品およびサービス管理」に該当します。

サプライヤーの管理状況の確認の具体的な進め方

サプライヤーの管理状況の確認を具体的に進める手段として、書面審査現地監査があります。

書面審査

企業独自のサプライヤー評価表やチェックシートに製品含有化学物質管理に関する項目等を追加し、サプライヤーの製品含有化学物質の管理状況を確認します。

現地監査

書面審査の結果や過去の取引実績、取引量、品質不良の発生率などを踏まえ、必要に応じて具体的な管理状況を確認します。

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書面審査、現地監査によるサプライヤーの管理状況の確認結果として、自社が求める管理基準を満たしている場合には採用、取引継続と判断できます。

しかしながら、自社が求める管理基準を満たしていない場合には、改善要請や指導によって改善を促し、それでも改善が図られない場合などにおいては取引停止などの措置も含めて検討することになります。

既存の仕組みの活用

サプライヤーの管理状況の確認に関して、新たな取り組みを行う必要はありません

ISO 9001等の品質管理や与信管理等ですでに実施されている取り組みを活かしながら、製品含有化学物質管理の視点を組み込むことが有効です。

RoHS(II)指令では、サプライヤー管理の明確な基準が設定されているわけではありません。

そのため、どのレベルの管理をサプライヤーに求めていくかは、リスクに応じて川下企業が決定していくことになります。

川下企業の製品をRoHS(II)指令に対応するためには、サプライチェーンにおける協力が不可欠であるため、一方的にサプライヤーに管理を求めるだけでなく、情報提供や改善に向けた助言等によってサプライヤーを支援することも必要となります。

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