Q15:RoHS(II)指令の技術文書に記載する内容を教えてください。
最終更新日:2025年2月27日
技術文書に求められる内容
RoHS(II)指令の技術文書の整合規格 EN IEC 63000:2018
RoHS(II)指令の技術文書の整合規格は、EN IEC 63000:2018(有害物質の制限に関する電気および電子製品の評価に関する技術文書)です。
EN IEC 63000:2018には、「このEU規格は、製造者が該当する物質規制の順守を宣言するために整備する必要がある技術文書を定めたものである」とあり、次の要素を技術文書の内容に含めることを要求しています。
EN IEC 63000:2018 の要求事項
- 要求される技術文書は、製造業者が作成する必要があり、製品の設計、製造、および操作に関する情報を提供することを目的としています。
- 技術文書は、製品を市場に出した日から10年間保管する必要があります。技術文書の対象となる個々の製品が市場に投入された時点から期間を計算する必要があります。
- 技術文書は、RoHS(II)指令の必須要件への製品の適合性を実証するために必要となります。
- 技術文書の内容は、製品の設計、製造、および操作をカバーする使用目的を説明するものです。
- 製品の概要
*材料・部品・半組立品の情報
*前項の情報と材料・部品・半組立品との関係を示す情報 - 技術文書を作成するにあたり使用した整合規格もしくは、その他の技術仕様
RoHS(II)指令の場合は、その製品に使用している材料、部品、半組立品などの1点1点に特定有害化学物質が含有されていないことの証明を重視した内容になります。また、その製品に使用している材料、部品、半組立品などだけではなく、製造工程からの特定有害化学物質の混入がないことを保証する必要があります。 - 構成部品、組立品、回路などの構想設計、製造図および図解
- 製品の製造図および運用を理解するために必要とする説明および解釈
- 整合規格および/または (and/or) 既に「EU官報」に開示された評価基準の全部または一部に適用するその他関連技術仕様
- 実験レポート
その他、RoHS(II)指令で要求されること
RoHS(II)指令では「製造者は、要求されている技術文書を作成し、決定 No 768/2008/EC の附属書IIのモジュールA に従い、内部生産管理手続きを実施するかまたは実施させること」としています。
「CE」シンボル表示
基本的な要求は同じですが、「CE」シンボルの表示が要求されます。
「CE」シンボルの表示は、製品に適用され、CEマーキングを規定する連合法への製品の適合性を示します。EEA、トルコ、またはその他の国で製造されているかどうかにかかわらず、EEAおよびトルコ市場に配置される製品に貼付されています。
また、製品がRoHS(II)指令に準拠していることの重要な指標(ただし証明ではない)であり、EEA、トルコ、またはその他の国で製造されているかどうかにかかわらず、EEAおよびトルコ市場内での製品の自由な移動を可能にします。