Q7:RoHS(II)指令の製品カテゴリー6「電気電子工具」と適用除外製品「大型定置式産業工具」の違いを教えてください。
最終更新日:2025年2月27日
大型定置式産業工具の定義
RoHS(II)指令第3条定義(3)に「大型定置式産業工具」の定義として、
「特定の用途のために共に機能する機械、機器、および/または構成部品の大型の集合体で、工業用製造施設または研究開発施設において、専門家が所定の場所で恒久的に設置および撤去し、専門家によって使用および保守されるものをいう」
とされています。
それ以外のものは、すべてカテゴリー6の適用対象となります。
RoHS(II)FAQ(外部リンク) のQ3.1に、さらに詳しい説明があります。
適用除外の要件
適用除外を受けるためには、「工具」およびその「設備」の要件として以下のすべての項目をクリアしている必要があります。
「工具」としての要件:
- 特定の用途のために共に機能する機械、機器、および/または構成部品の集合体
- 専門家が所定の場所で恒久的に設置および撤去する工具
- 工業用製造施設または研究開発施設において、専門家によって使用および保守されるもの
- 大型
「設備」の要件:
- 複数の種類の機器と、場合によっては他の機器と組み合わせたもの
- 専門家によって、組立、取付・取外しが可能なもの
- あらかじめ決められた専用の場所で、永続的に使用することを目的としたもの
- 大型
大型な固定産業用工具の一例
両方の要件に「大型」とありますが、RoHS(II)指令には「大型」の寸法または類似の基準はありません。RoHS(II)FAQ(外部リンク)には、「大型な固定産業用工具」の一例として、以下が提示されています。
- 材料や商品を工業的に生産・加工するための機械(工具)
- CNC旋盤
- ブリッジタイプのフライス盤、ドリル盤
- 金属成形プレス機
- 新聞印刷機
- 加工品の試験用機械(工具)
- 電子ビーム、レーザー、高輝度光源、又は遠紫外光による欠陥検査装置
- 集積回路基板およびプリント配線板の自動検査装置
- クレーン
- 同程度の大きさ、複雑さ、および重量の機械
「大型」の参考
「大型」の参考として、設備に関しては以下の目安が示されています。
- ISO規格の20フィートコンテナ(5.71 m x 2.35 m x 2.39 m)で運搬できない大きさ
- 部品の総和が44トントラックの積載重量を超える重さ
- 設置や撤去に大型クレーンが必要
- 通常の産業設置場所では収まらず、設置場所の改造や基礎の強化が必要
- 定格電力375 KW超
工具でも上記の基準をひとつでも満たせば「大型」と考えられますが、一般的には工具の大きさはそれ以下のものが多いと考えられます。
その他
もう一つの考えとして、数百の部品から構成されている複雑な工具や、必要なユーティリティ(用役)として、特殊な電力接続、清浄な乾燥空気または水の供給および排水以外のユーティリティの接続、例えば高圧圧縮ガス供給、真空ライン、毒物または熱の排気設備、化学物質供給ラインおよび排水などを必要とする場合などが挙げられています。
「大型」かどうかの判断
以上のような「大型」に関する目安がRoHS(II)FAQ(外部リンク)に挙げられていますが、評価と判断は、製造者、輸入者、または、関係するその他の経済事業者側の責任で行う必要があり、問い合わせがあった場合に判断の根拠を示せるように準備しておく必要があります。