支援事例紹介
金属熱処理業の次世代を担う現場技術者向け人材育成
熱処理業界において、貴重な社会人教育プログラムの一環として位置づけられている、産学連携製造中核人材育成講座「金属熱処理 スーパーマイスタープログラム」のうち、「事実・事象の調査と分析」を テーマに7日間の人材育成メニューを検討し、オーダーメード型技術支援事業として実施しました。
(本技術支援は、機械技術グループ 熱エネルギー加工担当が実施したものです。)
支援内容
同一鋼種で同じ熱処理条件がない熱処理を施した試料を用い、受講者ごとにどのような熱処理条件で処理されたかを推測し、一連の調査結果をもとにプレゼンする、実習形式で支援を実施しました。
金属顕微鏡や硬さ試験機、走査型電子顕微鏡などを用い、金属組織写真,硬さや破断面写 真などのデータを取得し、得られたデータから鋼種の判定、熱処理条件の推定、熱処理条件と機械的特性の関係をあらゆる角度から検討ました。
最終日にプレゼンテーション形式での発表を行いました。
受講者の声
- 説明する難しさや、相手に理論的に物事を伝える手法を学ばせてもらいました。
- 不具合に対してなぜ起こったのか、どうしたら防げるのかという議論は今後の業務においても非常に重要だと思うので今後の活動に役立てたいです。
- 実習は習った知識を最大限に使うことになり骨太な内容でした。
- 配布された資料の材質と熱処理パターンを推測するに為に、様々な機器の扱い方を学び、各種の実験を行い、データを収集し、足らないデータを補うための実験も自分で考えることができました。
- 日常業務では触れることのできない機器についての知識、正しい実験方法の知識、結論に辿り着くためのプロセスは、どれも大変勉強になるものでした。
- 「ダイス鋼とハイスの焼入れ、焼戻し」の講義では、炭化物の熱処理挙動について教えていただき、とても勉強になりました。