2023年度 多摩テクノプラザ

画像処理と機械学習による撥水試験のデジタル化手法

最終更新日:2024年11月12日

アピールポイント

  1. ベテラン職員の目視判定結果を学習し、判定可能
  2. 汎用PCで短時間で構築可能

技術内容

技術の特徴

  1. 既存の画像認識モデルを転用することで、撥水性評価モデルを安価に構築可能
  2. 200枚の等級判定済み画像で学習を行い、80%以上の適合率を達成
撥水試験のデジタル化の例の図
撥水試験のデジタル化の例

技術の概要

JIS L 1092 繊維製品の防水性試験方法 はっ水度試験(スプレー試験)

試験片3枚に水をかけて、水滴の付着や湿潤(濡れ)の発生具合から、撥水性を目視で判定
課題:ベテランの判定者でも判断に迷う試料が多い・過去の判定結果との突合が難しい

LWDを調整して、機械が等級判定しやすい写真を撮影

※LWD:Light Working Distance , 試料と照明の距離

撮像ブースと概略図

LWDの大きさ

明るさ

見えやすさ

小さい

不均一

凹凸が見やすい
水滴が見えやすい

大きい

均一

濃淡が見やすい
湿潤が見えやすい

判定済み試料の写真を学習データに、パラメータ調整済みの画像分類モデルResNet-18をファインチューニングすることで、撥水性判定モデルを作成

※ResJet-18:Residual Networkの略。
  Microsoft Researchによって2015年に提案された畳み込みニューラルネットワークのモデル。

  • プログラミング言語:Python
  • 画像処理ライブラリ:OpenCV
  • 機械学習ライブラリ:PyTorch
LWD=50mmでの撮影結果

学習時間:15分程度(学習した画像214枚、GPUなしのPC使用時
→平均適合率80.3%の撥水性判定モデルを作成できた

企業へのご提案

目視判定試験の高精度化、DX化にご興味のある方はお気軽にご相談ください。

  • 高性能なPCを用意せずに、過去の目視判定結果を機械学習に利用可能
  • ベテラン職員の判定を学習した「もう1人の判定者」を作成可能

研究成果に関する文献・資料

JIS L 1092

研究者情報

事業所
多摩テクノプラザ
グループ
複合素材技術グループ
担当者
池田 紗織

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