Q52:アジア圏にもRoHS(II)指令のような電気・電子製品を対象とした化学物質規制はありますか?
最終更新日:2025年3月7日
中国
電器電子製品有害物質制限使用管理弁法(中国RoHS(II))があります。
- 参考:FAQ 51 中国RoHSはどのような内容なのでしょうか?
ベトナム
2011年8月10日公布の「電気・電子機器中に含まれる有害化学物質の最大許容濃度に関する通知(Circular No.30/2011/TT-BCT)」が、ベトナム版RoHSと言われています。
対象製品
EU RoHS(II)の11のカテゴリーから、8、9、11カテゴリーを除いた8製品群です。
規制対象物質
6物質で最大許容値はEU RoHS(II)指令と同様です。対象製品は附属書にHSコードで定義しています。
なお、2022年8月には既存の通知を置き換える「電気電子製品中の特定有害化学物質の含有制限に関する技術規則」案が公表されました。
規則案では現状のEU RoHS(II)と同様に、規制対象物質を既存の6物質から4種のフタル酸エステル類を追加した10物質へ、対象製品も11製品群に拡大するとともに、CEマーキングに相当する適合性評価制度を導入する内容となっています。
台湾
台湾では国家標準CNS15663にて、BSMI(Bureau of Standards, Metrology & Inspection)で定められている交流1000V、直流1500V以下の電気・電子製品に対し、EMC(Electromagnetic Compatibility)規格および安全規格への適合要求について、事前にBMSIに認可を取得し、製品にマークを表示することが要求されています。
含有制限
EUのRoHS(II)指令のような含有制限ではなく、情報開示が要件となっています。規制対象物質は6物質で最大許容値はEU RoHS(II)指令と同様です。
対象製品
対象製品はパソコン、プリンター、複写機、テレビ、モニター、PCモニターが最初に指定され、適宜拡大が図られています。
韓国
韓国RoHS法(電気・電子製品および自動車の資源循環に関する法律)は、電気・電子製品と自動車のリサイクルの促進を目的として、有害物質の使用を制限しています。
規制対象物質
2020年の改正によって、規制対象物質に4種のフタル酸エステル類が追加され合計10物質となり、最大許容値はEU RoHS(II)と同様です。
対象製品
計49製品群が指定されています。
なお、韓国環境部は2024年9月25日、「電気・電子製品および自動車の資源循環に関する法律(資源循環法)」の施行令および施行規則の改定案を発表しており、改定案が適用されれば対象対象が「すべての電気・電子製品」に拡大することになります。
インド
「e-waste(Management and Handling)Rules,2011」が2016年3月に改正され、「the E-Waste (Management) Rules, 2016」となりました。
2023年4月に、「E-Waste (Management) Rules, 2022」が施行され、106品目の対象電気電子機器の生産者に大対する拡大生産者責任(EPR)が規定され、RoHSに関する規定も盛り込まれました。
規制対象物質と制限濃度
規制対象物質は6物質で最大許容値はEU RoHS(II)と同様です。
対象製品
対象製品は、「IT・通信機器(メインフレーム、ミニコンピューター、個人用コンピューター等)」と「消費者向け電気電子製品(テレビ、冷蔵庫など)」の2製品群でしたが、2022年11月の改正によって2023年4月から〔the E-Waste(Management) Rules, 2022〕となり、次の7製品群に拡大しました。
- IT・通信機器
- 消費者向け電気電子製品および太陽光発電パネル
- 大型および小型電気電子製品
- 電気電子工具(据付型大型産業用工具(LSSIT)を除く)
- 玩具および娯楽・スポーツ用品
- 医療機器(すべての埋込・感染製品を除く)
- 実験器具
2025年4月1日以降、規制対象製品について、RoHS規定への遵守義務が開始されます。
なお、2023年7月に「2023年廃電気電子機器(管理)二次改正規則」※が交付され、規制対象製品に対して一律にRoHS規制を適用していましたが、この改正により規制対象製品の条件が大幅に緩和されました。
※2022年廃電気電子機器(管理)規則の改正規則