Q51:中国RoHS(II)について教えてください。
最終更新日:2025年3月7日
中国RoHS(II)
2016年1月6日付け改正中国RoHS管理規則(令32号:中国RoHS(II)と略記)が、2016年7月1日に施行されています。旧RoHS管理規則(令39号:中国RoHS(I)と略記)は廃止されました。
目的:第1条
中国RoHS(II)は、
廃棄された電器電子製品による環境汚染を管理し削減するために、電器電子業界のクリーンな生産と資源総合利用を促進し、グリーン消費を促進し、環境と人間の健康を保護すること
を目的としています。
対象製品:第3条(1)
対象製品は電器電子製品で、定義は、EU RoHS(II)指令と同じ「直流1500ボルト、交流1000ボルトを超えない設備とその付属品(組合せ品)」です。
「その付属品」には、構成する部品の意味もあり、修理部品も対象となります。EUで除外されている大型据え付け家電や輸送手段なども規制対象です。一方で、発送電関連機器や軍事用途、展示品などが対象外になっています。
特定有害物質:第3条(5)
次の7物質(群)です。中国RoHS(II)から以下の通り対象重金属 (鉛、無水銀、カドミウム) に対して「およびその化合物」が追加されました。
a) 鉛およびその化合物
b) 水銀およびその化合物
c) カドミウムおよびその化合物
d) 六価クロム化合物
e) ポリ臭化ビフェニル(PBB)
f) ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)
g) 国家が指定するその他有害物
最大許容濃度は、カドミウムおよびその化合物が0.01w%で、その他は0.1w%です。「g) 国家が指定するその他有害物」に指定されているものはありませんが、ここにフタル酸エステル類4種を加える準備を進めていることが公表されています。
一般的な義務:第12条から第15条
中国RoHS(II)の対象製品を中国市場で販売するためには、以下の義務があります。
包装材材質の表示(第12条)
紙、PET、鉄、アルミなどの国際的なリサイクルマークを表示します。
含有有無の表示(第13、14、15条)
「有害物質名称と含有量表」で部位ごとに特定有害物質含有の有無を「○」「×」表示します。
- 基準超過がないときの表示
緑色のeマーク(グリーンマーク) - 基準超過しているときの表示
「環境保全使用期限」の年数を埋め込んだ橙色の基準超過マーク(オレンジマーク)
順法管理目録:第17条 と 合格評定制度:第18条
2019年11月1日から施行されている第一次順法管理目録には、次の12品目が挙げられています。
(それぞれ定格などの条件が付帯していますが、ここでは割愛します。)
- 冷蔵庫
- エアコン
- 洗濯機
- 電気温水器
- プリンター
- コピー機
- FAX機
- テレビ
- モニター
- マイクロコンピューター
- モバイル通信・携帯電話
- 固定電話
順法管理目録にあり、別途決められている「適用除外リスト」にない製品には、特定有害物質が基準を超過していないことを確認して、合格評定制度によって「中国緑色製品CGPマーク」を貼付する必要があります。緑色のCGPマークには、供給者の自己適合宣言によるものと、認証機関による適合評価によるものの2通りがあります。