Q49:RoHS(II)指令に対応した電気・電子機器は、REACH規則にも対応しているといえるのでしょうか?
最終更新日:2025年3月7日
RoHS(II)指令とREACH規則それぞれの対応が必要
RoHS(II)指令に対応した電気・電子機器がREACH規則にも対応しているとは一概にはいえません。
CLSを0.1wt%以上含む成形品は、廃棄物枠組み指令(Waste Framework Directive)に基づくSCIP登録が必要です。RoHS(II)指令、REACH規則、その他関連する法令の要求事項を確認した上で、要求事項に確実に対応する必要があります。
対象の電気・電子機器がRoHS(II)指令に適合していても、REACH規則が要求するCLSの届出や情報伝達などREACH規則の要求に対応しなければなりません。
RoHS(II)指令
RoHS(II)指令は電気・電子機器への有害物質の含有を制限した製品含有化学物質規制です。
対象となる化学物質(10物質)
- 鉛
- 水銀
- 六価クロム
- ポリブロモビフェニル(PBB)
- ポリブロモジフェニルエーテル(PBDE)
- カドミウム
- フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)
- フタル酸ブチルベンジル(BBP)
- フタル酸ジ-n-ブチル(DBP)
- フタル酸ジイソブチル(DIBP)
これらが0.1wt%以上(カドミウムのみ0.01wt%以上)の濃度を含有している電気・電子機器はEU域内への上市はできません。
RoHS(II)指令の対象
対象は、交流1000V、直流1500V以下で稼働するすべての電気電子機器です。
11カテゴリー
- 大型家庭用電気製品
- 小型家庭用電気製品
- IT及び遠隔通信機器
- 民生機器
- 照明装置
- 電気工具
- 玩具
- レジャー及びスポーツ機器
- 医療用機器、監視及び制御機器
- 自動販売機類
- その他の電気・電子機器
EU域内で電気・電子機器を生産、販売、輸入するすべての事業者はRoHS(II)指令に従う必要があります。これらの事業者は、整合規格EN IEC 63000:2018に従って技術文書を作成し、それをもとに適合宣言書を発行しCEマークを製品に表示します。
これによって、対象とする電気・電子機器はRoHS(II)指令に適合していることが示されます。
REACH規則
REACH規則は、新規化学物質および既存化学物質を対象とした総合的な化学物質管理の法規制です。
成形品の義務
第7条および第33条で成形品中の物質についても登録や届出、情報伝達を事業者に義務付けています。特に第33条で要求されている成形品中の高懸念物質候補リスト(CLS:Candidate List of Substances of very high concern)の届出と情報伝達については電気・電子機器に限らず、すべての成形品に要求されます。
制限物資
第67条(制限)および附属書XVIIで有害物質の特定の製品への含有を制限しています。
なお、フタル酸エステル類(DEHP, BBP, DBP, DIBP)は附属書XVII No.51で電気電子用途は対象外としています。