Q3:RoHS(II)指令の適用除外用途について教えてください。
最終更新日:2025年2月27日
適用除外用途
RoHS(II)指令では、技術的に代替が困難な場合、附属書III およびIV で適用除外用途を設けて、例外的に制限対象物質の含有を認めています。附属書III はすべてのカテゴリーを対象にしており、附属書IV はカテゴリー8および9のみを対象としています。
適用除外用途の有効期限
附属書III およびIV に収載された各適用除外用途には有効期限が定められており、ある程度代替が見込まれる用途については特定の期日が定められていますが、それ以外の用途については、次のような最大の有効期限が設定されます。
カテゴリー | 有効期限 |
---|---|
カテゴリー1から7、10 | 2011年7月22日から最大5年まで |
カテゴリー8(体外診断医療装置を除く) カテゴリー9(産業用監視および制御装置を除く) | 2014年7月22日から最大7年まで |
カテゴリー8(体外診断医療装置) | 2016年7月22日から最大7年まで |
カテゴリー9(産業用監視および制御装置) | 2017年7月22日から最大7年まで |
カテゴリー11 | 2019年7月22日から最大5年まで |
有効期限が過ぎた用途
各附属書から削除され、附属書IIの上限値未満の物質含有が制限されることになります。
有効期限後も適用除外用途を継続したい場合や新たな適用除外用途を設けたい場合
附属書Vに従って産業界が欧州委員会に対して申請を行うことで、新規追加および更新の検討が行われます
(更新の場合は、適用除外期限の18ヶ月前までに申請)
適用除外用途の検討にあたっては、RoHS(II)指令第5条において、「用途の適用除外の追加がREACH規則により与えられる環境と健康の保護を弱めることなく以下の条件が満たされるならば、材料および部品を特定の用途について附属書III およびIVの適用除外に追加する」と定められています。
- 材料および部品の設計変更の際、附属書II に収載されている特定有害化学物質の除去および代替が、科学的、技術的に不可能である
- 代替品の信頼性が確実ではない
- 代替品を使用することで引き起こされる環境や健康および消費者安全に対する影響が、それらの便益を上回りそうである
最新情報の確認
適用除外用途の更新や新規追加の検討状況は、下記で確認をすることができます。
- 欧州委員会環境総局 Implementation of the RoHS Directive(外部リンク)
- 各改正内容を反映したRoHS指令の原文 RoHS指令統合版(外部リンク)(consolidated version)
Pack22
現在検討されている適用除外用途の中でも、多くの電気電子製品で活用されている適用除外用途の「合金中の鉛」等を対象とした調査プロジェクト(Pack22)をはじめ、2021年7月に有効期限を迎えた適用除外用途の動向が注目されています。
Pack22については、2022年1月に欧州委員会から適用除外用途の更新等の調査において委託を受けているOko-institutが最終報告書(外部リンク)を公表しました。この最終報告書は欧州委員会に提出されたもので、今後コミトロジー・プロセス(加盟国代表から成る委員会による内容の検討)を経て、採択されると欧州委員会は官報を作成し、理事会と議会に通知します。
なお、更新申請に対する決定が下されるまでは、有効期限を過ぎても適用除外用途は継続され、また仮に更新申請が棄却されたとしても、12ヶ月から18ヶ月の猶予期間を設けることが定められています。
- 参考:TIRI NEWS 2021年11月15日公開
「EU RoHS指令における銅合金中の鉛の適用除外について」
Pack27
Pack22の一部に対して反対意見が出され、この反対意見が妥当かを検討するプロジェクトとしてPack27が検討されました。Pack27はPack22の反対意見に対する再審査であり、Pack22が白紙になるわけではありません。
- Pack27の適用除外申請 (外部リンク)