Q25:当社は製造工場を持たないファブレス企業です。EUにRoHS(II)指令対象製品を輸出する際、どのように対応すれば良いでしょうか?
最終更新日:2025年3月3日
ファブレス製造者の責任
EUの製品規制には、RoHS(II)指令だけでなく数多くの法令がありますが、EUが作成したブルーガイド2022(外部リンク)で全体を俯瞰できます。
ブルーガイドは、EU製品規則の解を深め、さまざまな分野や単一市場全体で規則をより統一的かつ首尾一貫して適用することに貢献することを目的としています。
EU市場に製品を出す製造者は、工場の有無や所在のEU域内外に関わりなく、製品の適合性評価に責任を負い、トレーサビリティ要件を含む一連の義務の対象となります。
製造者は、製品を自分で設計および製造したか、製品を自社名や自社商標名で上市したために製造業者とみなされたか、否かにかわらず、適用されるEU調和法への製品の適合について最終的な責任を負います。
つまり、ファブレス製造者であっても、一般製造業者と同等の責任があります。
製造者の責任
前出のブルーガイドの第3章「製品サプライチェーンの関係者とその義務」の冒頭3.1節「製造者」では、製品を市場に出すときには、原則として、製造プロセスが製品のコンプライアンスを保証するために必要なすべての措置を行う必要が、製造者にあるとし、特に以下の点を挙げています。
- 製品の適合性評価をすること、または通知機関によって承認された品質システムを取得すること
- EU適合宣言の根拠となる技術文書を作成すること
- EU適合宣言を作成すること
- 消費者などが容?に理解できるように、使用上の注意と安全情報を提供すること
- 次のトレーサビリティ要件を満たすこと
(ア) 最後の製品が市場に出た後10年間、技術文書とEU適合宣言を保管すること
(イ) 製品は、タイプ、バッチ番号、シリアル番号などの識別ができること
(ウ) 製造者の氏名や登録商標、連絡先住所を、製品もしくはパッケージや添付文書に記載すること - 適用される法?に従って、適合マーク(「CE」シンボル表示、ATEXマーク、ノイズマーキング、補助計測マーキングなど)を製品に表示すること
- 連続生産で適合性を維持する手順を確認し、設計変?などでは適?に考慮すること
- 必要に応じて、製品および/または品質システムを認証すること
ガイダンス文書としてのブルーガイドには、これらの実施についての詳細な実施方法が整理されています。
ブルーガイドと個々のEU法令の詳細内容が異なる場合は、個々のEU法令が効力を持ちますので、その遵守確認が必要です。