設備紹介 城東支所

評価・分析機器の紹介(城東支所 試作加工・評価)

公開日:2026年4月1日 最終更新日:2026年4月1日

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城東支所では、製品企画・試作から材料・製品評価までの総合的なものづくり支援を行っています。今回は、樹脂や金属などの製品の材質を調べるほか、製品の耐候性や耐食性の試験、色彩、光沢度、ヘーズ(曇り度)の評価をする装置をご紹介します。

促進劣化試験装置 

複合サイクル試験機(依頼試験)

複合サイクル試験機は、めっき製品や塗装製品など、さびが品質に影響する製品に対して塩水を噴霧して耐食性を評価する試験装置です(図1)。JIS K 5600-7-1やJIS H 8502などの連続噴霧試験だけでなく、JIS K 5600-7-7やJIS C 60068-2-52などの複合サイクル試験(複数の条件を組み合わせた耐食性試験)にも対応できます。

図1 (左)複合サイクル試験機外観、(右)試験槽内部
(噴霧塔が装置の端に設置されているので、約500 mm四方程度の比較的大きい試料でも試験が可能です。)

キセノンランプ式促進耐候性試験機(依頼試験)

キセノンランプ式促進耐候性試験機は、高分子材料や塗膜などに対して、太陽光に近い放射照度分布の光を照射することで紫外線劣化などを模擬する試験機です(図2)。

この装置は180 W/m2(波長範囲:300~400 nm)の高い照度での試験が可能で、短期間での新製品・新素材の評価に使用できます。なお、城東支所では、ブラックパネル温度(試験品の表面温度の基準となる温度)63 ℃、水噴霧サイクル(120分サイクル:18分間光照射および水噴霧、102分間光照射のみ)で運転しています。1ホルダーの寸法は150 mm×70 mmです(図2)。

図2 (左)キセノンランプ式促進耐候性試験機外観、(右上)試験槽内部、(右下)ホルダー

品質評価装置

ヘーズメーター(依頼試験・機器利用)

ヘーズメーターは、透明な材料の光学特性を評価する装置です(図3)。ヘーズ(曇り度)とは、透過光のうち拡散して透過する光の割合を示すもので、値が大きいほど曇って見えます。機能性樹脂、光学フィルム、包装材、ガラスなど、透明性が品質に影響する製品の評価に広く用いられています。

この装置は30 mm×30 mmからA4サイズ(210 mm×297 mm)までの試料に対応しています。また、JIS規格には適合しなくなりますが、小径測定用アタッチメント(φ7 mm)での測定も可能です。

図3 ヘーズメーター

分光色彩計(依頼試験・機器利用)

分光色彩計は、樹脂・ガラス・塗膜などの色彩を数値化して評価する装置です(図4)。製品の色合わせや、耐候性試験前後の変退色評価などで広く用いられています。XYZ表色系L*a*b*表色系での値のほか、色差、黄変度などの測定が可能です。また、反射測定では、正反射成分を含むSCI(Specular Component Included)モードと含まないSCE(Specular Component Excluded)モードの測定も可能です。測定径はφ19 mm、φ8 mm、φ3 mmの3種類から選択できます。

図4 分光色彩計


光沢計(依頼試験・機器利用)

光沢は製品の美観に大きく影響する要素で、その程度を光沢度として評価するのが光沢計です。光沢度の測定ではJISで示されている60°の角度での反射光が多く用いられていますが、こちらの光沢計では、20°や85°の角度でも測定を行うことができます(図5)。また、JIS規格には適合しなくなりますが、φ6 mmの小径測定口アタッチメントでの測定も可能です(20 °と60 °の角度のみ測定可能です)。

図5 (左)光沢計、(右)測定口(左側:標準測定口と右側:小径(φ6 mm)測定口アタッチメント)

材料分析装置

赤外分光光度計(機器利用)

材質の分析を行う際は、有機物と無機物など、その材質に適した分析装置を選択する必要があります。赤外分光光度計は、プラスチックや塗膜など、主に有機物を分析する際に用いられる装置です(図6)。シート状や平板状の試料などに使用するATR測定(Attenuated Total Reflection:全反射測定)のほか、小型の赤外顕微鏡も付属しているため微小異物の分析も可能です(ただし、赤外顕微鏡は、顕微測定で使用されている一般的な検出器よりも感度の低いDLATGS(Deuterated L-Alanine Doped Triglycine Sulphate)検出器での測定になります)。

図6 (左)赤外分光光度計、(右)赤外顕微鏡ユニット

 蛍光エックス線分析装置(機器利用)

蛍光エックス線分析装置は、材料に含まれる元素を分析する装置で、金属の種類やめっきの種類、無機の添加剤などの分析を行う装置です(図7)。分析可能な元素は周期表のNa(ナトリウム)からU(ウラン)までで、真空での測定も可能です。また、RoHS指令等に記載されている有害元素が基準値を超えていないかを簡易的に調べるスクリーニング分析も可能です。

図7 蛍光エックス線分析装置

分析機能付き卓上型走査電子顕微鏡(機器利用)

走査電子顕微鏡は、試料表面の微細構造を高倍率で観察できる装置です(図8)。この装置は卓上型であり、真空操作やソフトウェアの操作も比較的容易です。低真空(数Paから数十Pa)で観察を行うため、樹脂などの有機物で非伝導性の試料でもコーティング処理を行わずにそのまま観察することができます。また、分析機能も付いているため観察部分の元素分析ができ、マッピング分析や、ライン分析、点分析、フリーハンドのエリア分析などが可能です。

図8 分析機能付き卓上型走査電子顕微鏡


紫外可視近赤外分光光度計(機器利用)

紫外可視近赤外分光光度計は、紫外領域から近赤外領域までの幅広い波長範囲で、材料の透過率、吸光度、反射率を測定する装置です(図9)。例えば、板ガラスの透過率・反射率、塗膜の日射反射率、フィルムの透過率、紫外線遮蔽率などの評価に用いられています。

この装置は240 nmから2,600 nmまでの波長範囲に対応し、透過測定のほか、全光線反射・拡散反射の測定が可能です。また、平板形状の試料であれば、透過測定・拡散反射測定はA5サイズ程度、全光線反射測定はA4サイズ程度まで対応可能です。

図9 紫外可視近赤外分光光度計

用語説明

XYZ表色系

国際照明委員会(CIE)が定めた、色を三つの数値(X, Y, Z)で表す国際標準の表色系

L*a*b*表色系

XYZ表色系をもとに、人間の色の感じ方に近づけて設計された表色系

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