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【城南支所】顕微鏡による表面観察支援(デジタルマイクロスコープ/レーザー顕微鏡/ワンショット3D形状測定器)

公開日:2025年7月1日 最終更新日:2025年7月1日

【城南支所】顕微鏡による表面観察支援(デジタルマイクロスコープ/レーザー顕微鏡/ワンショット3D形状測定器)

城南支所では、多様な機器を活用し、企業の皆さまを技術面で支援しています。その中でも新製品開発や事業化、品質管理において基本的かつ重要な項目として目視や顕微鏡による表面観察が挙げられます。本記事では、顕微鏡による表面観察支援で使用している機器について紹介します。

デジタルマイクロスコープ

デジタルマイクロスコープの写真

デジタルマイクロスコープは、観察画像をデジタルデータで保存可能な光学顕微鏡です。本装置では、低倍率から高倍率までの観察を1つのレンズで対応でき、同一箇所を20~5000倍まで拡大しながら観察・2次元計測が可能です(図1、2)。また、深度合成機能を有しているため、凹凸のある試料でも全域に焦点の合った画像が取得できます(図3)。深度合成による撮影では、通常の拡大画像以外に3D画像も得ることができます(図4)。さらに、複数の視野を合成し、広い範囲の画像を撮影する機能も有しています。

図1 布地の同一箇所に対する表面拡大観察

 

図2 ボタン電池の計測例(観察倍率×20)

 

図3 布地の表面拡大観察における深度合成の有無(観察倍率×400)

 

図4 ネジ凹凸部の3D画像化

レーザー顕微鏡

レーザー顕微鏡の写真

レーザー顕微鏡は、微細な表面構造観察や粗さ測定などが可能な顕微鏡です。3D画像が得られる点はデジタルマイクロスコープと類似していますが、レーザー顕微鏡は、デジタルマイクロスコープよりも高さ情報の精度が高いため、プロファイル(断面形状)測定や表面粗さ測定に活用されています(図5、6)。さらに、膜素材の屈折率を入力することで、表面透明膜の膜厚測定も可能です。 

図5 LR44ボタン電池の観察および断面形状測定
図6 粗さ標準片の線粗さ測定

ワンショット3D形状測定器

縞模様の光を試料に当てると、試料表面の凹凸により縞模様の形状が変化します。ワンショット3D形状測定器は、その変化した縞模様を解析することで、試料の形状を測定する装置です。接触式形状測定器のスタイラス(測定物に接触する測定子)が入らないような細かい部品の凹凸や粗さを、非接触で評価できます。また測定データから、切断面の深さを計測するプロファイル(断面形状)測定や3D形状測定が可能です(図7)。広視野モードでは、最大観察領域が200 mm×100 mmと広いため、観察領域内であればサンプルの切り出し不要で測定できる利点があります。さらに、測定データを3Dデータ(STP/ASCⅡ)で出力可能です。
 

(a) 3D観察像
(寸法測定

図7 ローレット加工部の測定例

3機種の特徴

本記事で紹介した3機種の特徴と比較を示します。

表 3機種の特徴の比較

3機種の特徴の比較の表

今回紹介した顕微鏡類は、機器利用の対象機器のため、お客様自身で操作可能です。操作方法も簡単な装置ですので、製品の品質管理や異物付着・傷等の不良品対応などにご活用ください。 

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