設備紹介 多摩テクノプラザ, 電子技術グループ

放射イミュニティ試験システム(~6GHz)

公開日:2021年7月1日 最終更新日:2025年3月19日

放射イミュニティ試験システム(~6GHz)
  • 車載機器向け国際規格 ISO 11452-2 ALSE法(アンテナ照射法)に対応
  • 民生機器向け国際規格 IEC 61000-4-3 放射無線周波電磁界イミュニティ試験に対応
  • 無線機器の高周波化に対応し、上限周波数6 GHzまでの試験が可能

※本装置は公益財団法人JKA補助事業による補助を受けて設備導入しています。

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装置の特徴

放射イミュニティ試験とは、製品がラジオおよびTV のような放送波や、携帯電話およびスマートフォンなどの通信波に対して耐性があるかを確認する試験です。試験信号を高周波アンプにおいて増幅し、アンテナにより放射させることで、製品の誤動作の有無を確認します。

図1 放射イミュニティシステムの概略図の画像
図1 放射イミュニティシステムの概略図

本装置は、車載機器向け国際規格 ISO 11452-2 ALSE法(アンテナ照射法)および民生機器向け国際規格 IEC 61000-4-3 放射無線周波電磁界イミュニティ試験の2つに対応したシステムです。

ISO 11452-2の試験では、接地ストラップを有したテストベンチ上に、製品およびハーネスを配置します。製品に直流電源を供給する場合は、擬似電源回路網を介して供給を行います。1 GHz 以下の試験ではハーネスの中央が送信アンテナの正面となるように、または1 GHz 以上の試験では製品の筐体が送信アンテナの正面となるように配置し、ハーネスと製品の筐体の双方に電磁波を照射します。この際、送信アンテナからハーネスおよび製品までの距離は1 mです。

図2 車載機器向け放射イミュニティ試験の画像
図2 車載機器向け放射イミュニティ試験
ISO 11452-2
図3 代表的な配置(ISO 11452-2)の画像
図3 代表的な配置(ISO 11452-2)

IEC 61000-4-3の試験では、製品全体に均一な電磁波を照射できるように、指定された領域において電界強度が規定のレベルの範囲に入ることを事前に検証しており、この領域を電界均一面と呼びます。一般的に電界均一面は、試験テーブル上方より1.5 m×1.5 mの範囲において検証されます。製品や周辺装置は通常の使用を想定するように構成し、照射を行なう面と電界均一面が一致するように配置します。この試験では、奥行きに関する電界強度は検証していませんので、製品の全ての側面に対して評価を行う必要があります。この際、送信アンテナから製品および周辺装置までの距離は3 mです。

図4 民生機器向け放射イミュニティ試験の画像
図4 民生機器向け放射イミュニティ試験
IEC 61000-4-3
図5 代表的な配置(IEC 61000-4-3)の画像
図5 代表的な配置(IEC 61000-4-3)

活用事例

ISO 11452-2では、ECE R10(車両等の相互承認に関する国際的な協定に基づいて国際連合が発行した自動車や自動車への取り付けを意図したデバイスの EMC に関する規則)や、日本自動車規格JASO D011のほか、自社基準に合わせた条件での試験が可能です。

試験周波数、周波数ステップ、試験レベルに合わせて、キャリブレーションファイルを作成します。

IEC61000-4-3では、80 MHzから6 GHzまで1本のアンテナで試験を行います。また、電界強度は1GHz以下では最大20 V/m、1 GHz以上では最大10 V/mと、強電界を要求する鉄道向EMC試験にも対応します。

80 MHz~6.0 GHzを1%ステップで掃引する一般的な試験条件に加え、マルチメディア機器や医療機器規格で要求するワイヤレス通信機器からの妨害波を模擬した特定の周波数で電磁波を照射する試験にも対応します。

仕様および利用料金

仕様および利用料金については設備ページをご覧ください。

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