金属熱処理スーパーマイスタープログラム インターンシップ
公開日:2023年6月1日 最終更新日:2024年11月12日

- 金属熱処理スーパーマイスタープログラムはリカレント教育プログラム
- 都産技研では「事実・事象の調査と分析」と題して全7回のインターンシップを実施
- 受講生の声「不具合に対してなぜ起こったのか、どうしたら防げるのかという議論は今後の業務においても非常に重要だと思うので今後の活動に役立てたいです。」
製造中核人材育成講座「金属熱処理スーパーマイスタープログラム」
製造中核人材育成講座「金属熱処理スーパーマイスタープログラム」は、東京工業大学社会人アカデミーが主催するリカレント教育プログラムで、企業内で将来を嘱望される中堅技術者を対象としています。
本プログラムは、大学での講義・実習とインターンシップ(民間企業4社、都産技研)で構成され、金属熱処理について1年半をかけて理論と実践を集中的に学べます。2022年10月に第7期のプログラムが修了し、これまでに修了した約140名の受講生は、それぞれの企業で活躍しています。
都産技研におけるインターンシップ
都産技研では、「事実・事象の調査と分析」と題して全7回のインターンシップを実施しています。都産技研のインターンシップは、熱処理品の不具合調査実践の場を想定して、調査方法の立案、都産技研が保有する設備を用いた調査の実施と調査結果の解析、最終日にプレゼンテーションを行います。
受講生20名に配布する試料(SCM440, SKS93)は、同一鋼種で同じ熱処理条件がないように熱処理を行って、熱処理条件を伏せて配布します。受講生は、硬さ試験、金属組織観察、抗折試験や電子顕微鏡観察を通じて、どのような熱処理がされたかを推察します。
初析セメンタイト、パーライト、焼戻しマルテンサイトで構成された金属組織からは過共析鋼であるSKS93をオーステナイト単相の高温からゆっくり冷却した後、初析セメンタイトを残す温度域から焼入れし、低温焼戻ししていることが読み取れます。
受講生はこのような金属組織の観察により、推察と検証を行っていくことで、専門知識を身につけていきます。
なお、本インターンシップは、都産技研のオーダーメード型技術支援にて実施しています。


インターンシップの効果
最終日には受講生によるプレゼンテーションが行われ、質疑応答も活発に行われました。
都産技研でのインターンシップを通じて、受講生同士で議論することにより講義で得られた知識を深め、コミュニケーション能力の向上や人脈形成の効果が期待できます。また、同じ熱処理業界で働く者同士の交流の場としても活用されています。
受講生からは、「説明する難しさや、相手に理論的に物事を伝える手法を学ばせてもらいました。」「不具合に対してなぜ起こったのか、どうしたら防げるのかという議論は今後の業務においても非常に重要だと思うので今後の活動に役立てたいです。」「実習は習った知識を最大限に使うことになり骨太な内容でした。」という声をいただきました。

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