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超音波式疲労試験機

印刷用ページを表示する 更新日:2023年12月15日更新

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  • 超音波を利用し超高速(107回の疲労試験が約10分で終了)で疲労試験が可能
  • 超高サイクル(107回~)の疲労試験が可能

※注意点:速度依存性のため疲労寿命が10~30%高くなる傾向

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試験機の特徴​

超高速で疲労試験が可能

金属材料では繰り返し数が107回までの疲労試験が求められます。しかし、107回の疲労試験をするためには膨大な時間がかかります。また疲労特性を評価するためには複数条件で試験をする必要があります。そこで高速で疲労試験することが可能な超音波式疲労試験機が有効です。当センターに導入している超音波式疲労試験機の仕様を表1に示します。

表1 超音波式疲労試験機の仕様
試験波形両振り正弦波
試験周波数20 kHz
試験時間の例1×107回では約10分
応力振幅の例最小:±180 MPa
最大:±900 MPa

 

超高サイクル疲労試験が可能

鋼材ではある応力以下では繰り返し負荷しても疲労破壊しない疲労限が、107回までの試験で求めることができます。しかし、高強度材料では107回を超えても疲労破壊が生じることが分かってきました。107回以下で生じる疲労破壊は、試験片の表面がき裂の起点となり破断が進展します。それに対し107回以上で生じる疲労破壊は試験片内部の微細な欠陥や介在物が起点となります。この超高サイクル疲労特性を評価するためには、通常の疲労試験機では困難です。超音波式疲労試験機では109回の試験が約14時間で終了します。

試験の事例

超音波式疲労試験の様子を図1に示します。超音波ホーンに試験片を取り付ける構成となっています。試験片は図2に示すような形状が用いられる場合が多いです。また、超音波式疲労試験機は試験速度があまりに速いため、試験片が発熱します。高強度鋼やチタン合金は比較的発熱が小さいですが、ステンレス鋼では発熱が大きく赤熱するほど温度が上がることがあり、試験ができないことがあります。そのため、エアによる冷却や間欠運転(運転、停止を繰り返す)をすることにより発熱を押さえます。図3に鉄鋼材料の超音波式疲労試験をサーモグラフィーで撮影した結果を示します。エアによる冷却と間欠運転をしていますが、100 ℃近くまで温度が上昇しています。間欠運転の停止時間を長くする程、繰り返し速度は遅くなりますが、その場合でも数100 Hzであるため、通常の疲労試験機より10倍以上速く試験が終了します。


図1 超音波式疲労試験の様子
​図1 超音波式疲労試験の様子

 

図2 サーキュラテーパ型試験片

図2 サーキュラテーパ型試験片

図3 超音波式疲労試験をサーモグラフィーで撮影した様子
図3 超音波式疲労試験をサーモグラフィーで撮影した様子

 

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