※本装置は公益財団法人JKA補助事業による補助を受けて設備導入しています。
三次元測定機(Coordinate Measuring Machine, CMM)は、測定対象物に測定子を直に接触させて、縦、横、高さ(XYZ)の三方向からの座標情報を得ることで、寸法、角度、輪郭形状、幾何偏差を測定する装置です。
三次元測定の特長については、下記のTIRI NEWS記事をご覧ください。
設計図面との差異を1000分の1mm単位で測れる、三次元座標測定機
今回、都産技研では初めてとなる、ロータリーテーブル機能を実装しました。ロータリーテーブルの使用により、円筒状測定物のほか、歯車精度の測定が可能となります。
動力伝達に欠かせない部品である歯車は、効率、運動精度、強度、騒音などの厳しい要求に応えるための高度な形状精度が必要です。本装置により、歯形、歯すじ、ピッチ、偏心などの精度評価が可能です。
図1 ロータリーテーブルを使用した歯車計測
三次元形状測定機は、測定戦略やプローブ配置方法、測定環境の変動、測定データの処理方法等の違いにより、測定結果の信頼性が変化します。そのため、測定結果の信頼性を客観的に評価する指標として「不確かさ」が定義されています。(参考:https://www.mitutoyo.co.jp/useful/catalog-13-52/html5.html#page=613(外部リンク))
これらの不確かさを推定するソフトウェアが、仮想三次元測定(Virtual CMM, VCMM)です。VCMMの概要を図2に示します。VCMMでは、測定機本体やプロービングシステムに由来する誤差、温度環境などの影響を踏まえた測定機の仮想モデルをコンピュータ上で構築し、この仮想モデル上で測定をシミュレーションすることで、測定の不確かさを見積ります。
今回、ISO14253及びISO15530に準拠したVCMM機能も導入しました。欧州では、不確かさを考慮した製品開発が主流となっているため、海外市場を見据えた製品開発には、本機能は有力なツールとなります。
図2 VCMM概要
パラボラアンテナ
ノギスやマイクロメータでは測定が難しい大型製品について、
網目のピッチ測定による合否判定を行いました。
校正基準ゲージ
三次元測定機は、空間軸の精度評価も可能です。
校正基準ゲージの値付けを行いました。
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