ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > カテゴリ > 設備紹介 > 落下衝撃試験機

落下衝撃試験機

印刷用ページを表示する 更新日:2022年9月15日更新

トップイメージ

  • 試験品に衝撃加速度を与えて故障や不具合がないかを評価する試験装置
  • 治具に固定して試験を行うため再現性が高く、安定した評価が可能
  • JIS,IEC等の規格に対応した正弦半波(ハーフサイン)の試験が可能

実証試験技術グループ TEL. 03-5530-2190

(外部リンク)

落下衝撃試験機とは

輸送中および使用中、さまざまなタイミングで製品は衝撃加速度(瞬間的に加わる大きな加速度)にさらされます。

例えば荷物の積み下ろし時、輸送車が段差を越えた時、付近の扉が勢いよく閉まった時、ブレーカーがバチンと落ちた時など、製品そのものが落下または何かに衝突したわけではなくても、衝撃は伝わってきて製品に影響を及ぼします。

その結果、自重に応じて各部に力がかかり、はんだのはがれ、コネクタの瞬断、変形による外装破損などの故障や不具合が発生します。本装置は、このように衝撃を受けることが想定される製品に対して模擬的に衝撃を与え、製品が耐えられるかを確認するための試験機です。

 

試験の目的

規格に基づいて規定のピーク加速度と作用時間の衝撃を与える試験は、製品の品質管理や機械的弱点を確認するために行います。また徐々に加速度を上げて壊れるまで行う試験もあり、こちらは製品の限界値を明確にすることが目的です。

このように、製品の設計段階や出荷前に試験を行うことで製品の信頼性を高め、品質管理を行うことができます。

 

試験機の特徴

本試験機は、治具に固定した試験品ごと台座を持ち上げてエラストマ(ゴムのような弾性のある樹脂)上に落とすことで試験品に衝撃を加えます(図1)。再現性が高く、安定した評価が可能です。

エラストマによって衝撃の波形が決まってきます。衝撃試験に使われる波形は正弦半波・台形波・のこぎり波の3種類です。そのうち最も一般的な、正弦半波(ハーフサイン) (図2)に対応したエラストマを取り揃えています。衝撃波形は治具上に取り付けた加速度センサで測定します。台座を落とす際は空気圧で加速し叩きつけるため、インフラなどに求められるような高加速度の衝撃を発生させることができます。​

 

落下衝撃試験機模式図

図1 落下衝撃試験機 模式図

衝撃波形イメージ

図2 衝撃波形イメージ(正弦半波)

 

装置の動作上、衝撃加速度は下から上への一方向に印加されます。試験の際は図3のような治具を用いて試験品の方向を変え、x、y、z軸の各±、計6方向の衝撃を与えるのが一般的です。試験実施の際は、治具に製品を固定するための治具板が必要です。試験品が梱包品の場合、治具板は使用せず直接台座にゴムバンド等で固定します。

 

固定用冶具の写真
固定用冶具の写真
固定用冶具の写真

 図3  治具(加速度や試験品形状によって使い分けます) 

 

衝撃の強さ(ピーク加速度)は落とす高さと加速させる空気圧によって変えることができますが、作用時間の調整はできません。例えば100G 6msec用のエラストマで50Gを出そうとすると、自動的に作用時間は7msecほどになります。対応可能な加速度と作用時間の組み合わせ例を表1に、代表的なエラストマと試験結果を図4~6に示します。

 

表1 加速度と作用時間の組み合わせ例

加速度(G)15 30 30 50 100 100 200 500 
作用時間(ms)13※11 18 11 6  11 6  1※ 

※エラストマの規定値外

 

エラストマの画像
グラフ​​

図4 50G 11msec

エラストマの画像
グラフ

図5 100G 6msec

エラストマ
グラフ

図6 500G 1msec

 

機器利用事例

本試験機は、電子部品からインフラ関係までさまざまな製品開発にご活用いただいています。製品そのものの設計に加え、包装設計を見直すことでコストダウンに成功した事例もあります。以下にご利用の事例をご紹介します。​

  1. PC用電子基板(参照規格:JIS C60068-2-27)
    各種電子部品の耐衝撃性を出荷前に確認する試験を実施。破損状況は試験終了時に目視確認。試験中の通電はせず、終了後に持ち帰り自社内で確認。結果、破損や性能低下はなく、出荷に問題ないことを最終確認できた。

     
  2. 光通信コネクタ(参照規格:Telcordia GR-1221)
    各種電子部品の耐衝撃性に加え、衝撃印加時の瞬断(電気や通信が一瞬だけ途切れる現象)の有無を確認する試験を実施。本試験機と併せて瞬断検出器を利用。結果、衝撃時も規定時間以上の瞬断は発生せず、出荷に問題ないことを最終確認できた。

     
  3. 携帯型医療機器(梱包性能確認)
    30 G~100 Gまで10 G刻みで加速度を上げていき、都度内部の梱包状態、製品への影響を確認する試験を実施。複数種類の梱包を比較。結果を持ち帰り包装設計を見直すことでコストダウンに成功した。

 

関連設備の紹介

実証試験技術グループでは、製品の安全性・信頼性を検証するための環境試験設備を取り揃えております。その中でも本試験機と併せて利用されることの多い設備を図7~9に示します。

高品質・高性能な製品開発のために、ぜひお役立てください。皆さまのご利用をお待ちしています。​

 

試験機の写真

図7  振動試験機
振動による影響を調べるための装置​

試験機の写真

図8 恒温振動試験機​
振動と温湿度による複合的な影響を調べる装置

試験機の写真

図9 瞬断検出器
規定以上の瞬断が起こらないかを確認する装置​

 


 

(外部リンク)

仕様および利用料金

仕様および利用料金については設備ページをご覧ください。

お問い合わせ先

設備についてのお問い合わせは下記へご連絡ください。

実証試験技術グループ | TEL. 03-5530-2190

技術相談依頼試験・機器利用について

技術相談受付フォームはこちらから(外部リンク)

TIRI NEWSへのご意見・ご感想について

TIRI NEWSへのご意見ご感想フォームボタン

※記事中の情報は掲載当時のものとなります。


ページの先頭へ