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「TIRI クロスミーティング2023」「産業交流展2023」イベントレポート

印刷用ページを表示する 更新日:2023年12月15日更新

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2023年11月20日から22日までの3日間、東京ビッグサイトにて「TIRIクロスミーティング2023」が開催されました。クロスミーティングは、中小企業の皆さまが都産技研の技術シーズを「知り」、都産技研の技術と「つながる」ためのマッチングイベントです。昨年に引き続き「産業交流展2023」との同時開催になり、都産技研ブース(首都圏テクノネットワークゾーン・次世代技術ゾーン)には多くの方にご来場いただきました。

本レポートでは、1日目に行われた都産技研表彰「INNOVATION PARTNERSHIP AWARD」表彰式の様子と、研究員による技術シーズの口頭発表をピックアップしてお伝えします。​

(外部リンク)

都産技研表彰「INNOVATION PARTNERSHIP AWARD」​

都産技研表彰「INNOVATION PARTNERSHIP AWARD」は、都産技研設立100周年を機に、都産技研を利用し都内産業を牽引してきた優れた中小企業を表彰し、東京都におけるイノベーション創出の発展に導くことを目的として設立されたものです。

第3回となる今回は、株式会社システムクラフトが受賞しました。同社は「移動サービスロボットの製品化を容易にするT型ロボットベース」で、2017年度の日本ロボット学会実用化技術賞を都産技研と共同で受賞しており、その後も共同研究を経て、移動型ロボットベース「SCIBOTシリーズ」を展開しています。移動型ロボットの駆動部(足回り)として高い汎用性を実現し、ロボット産業を牽引してきたことから、今回の受賞となりました。

表彰式では理事長の黒部 篤から賞状、トロフィーとともに祝辞が贈られました。システムクラフト代表取締役 谷津 明 氏からは、受賞の言葉のあと、これまでの都産技研とのあゆみが紹介されました。

都産技研表彰2023の写真

口頭発表紹介

会場は首都圏テクノネットワークゾーンと次世代技術ゾーンに分かれ、都産技研の事業紹介や技術シーズの展示が行われました。また、会場内の2つのステージでは、研究員による技術シーズの口頭発表を実施。1日目のこの日は、「設計技術」と「計測技術」の2分野について発表が行われました。

​「“触り心地”を定量評価する」

「計測技術」のステージでは、プロセス技術グループの齋藤庸賀 副主任研究員​が「“触り心地”を定量評価する」として、正弦波駆動機構による摩擦試験を紹介。人の指腹を模倣した接触子と、人がものを触れる際のなめらかな動きを再現し、取得した摩擦パラメータから「すべり感」「湿潤感」「柔軟感」「なめらか感」の4種類の“触り心地”を数値化しました。

これにより、皮革や塗装、化粧品などで主に人の感覚で評価されてきた“触り心地”を、定量的に評価することが可能です。「合皮の触り心地を本革に近づける」といった作業も、数値を見ながらロジカルに行うことができます。

齋藤庸賀副主任の口頭発表の写真

​「手術中の医療者を被ばくから守る」

同じ「計測技術」では、計測分析技術グループの河原大吾 主任研究員が「手術中の医療者を被ばくから守る」として、X線量の分布の可視化について発表を行いました。様々な方向からX線を照射した場合の部屋全体の線量分布について数値計算によるシミュレーションを行い、X線の照射方向に応じた線量分布の変化を確かめました。

また、複数の小型線量計を術者と防護眼鏡の間に設置し、局所的な被ばく量の測定も行いました。数値計算という「マクロ」と、小型線量計という「ミクロ」、2つの視点を活用することで、X線防護具の効率的な製品開発などへの応用が期待できます。

 
河原大吾主任の口頭発表の写真

「会話漏れを低減するブースの設計支援」

「設計技術」のステージでは、光音技術グループの土屋 洵 研究員が「会話漏れを低減するブースの設計支援」について発表しました。オンライン会議用のワークブースについて、ブースの形状や壁の構造を変えながら、音漏れ対策の効果を検証。吸音壁や天井の遮へいといった簡易的な対策により、中高音域の音圧が低減可能であることを確かめました。

高音域は音声の子音に相当するため、高音域を低減すれば「音は漏れていても会話は聞き取れない」といった状況を生み出せます。音響数値シミュレーションと組み合わせれば、低コストで会話漏れを低減するブースの設計が可能となります。

土屋洵研究員の口頭発表の写真

​「体に見合う使い易さを自動デザイン」

同じく「設計技術」では、城東支所の福原悠太 研究員が「体に見合う使い易さを自動デザイン」として、身体計測情報からリアルタイムに3Dモデルを生成する手法を提案しました。開発例に挙げたのは「児童が使いやすいキーボード」です。

ユーザー調査と試作から最適なキー間隔を導いたあと、身体情報を計測する治具と、3Dデータ生成用アルゴリズムを作成。手の大きさを治具で測るだけで、体に見合ったキーボードの3Dモデルが生成される仕組みを完成させました。この手法を応用すれば、マウスやハサミといった製品のサイズ展開や、多品種小ロット生産の支援が可能です。

福原悠太研究員の口頭発表の写真

クロスミーティングでは、上記を含め3日間で40以上の技術シーズが発表されたほか、協業によるモノづくりに関するパネルディスカッションや、食品分野の技術支援をテーマとした「TKFオープンフォーラム」、都産技研本部の見学会なども実施されました。

クロスミーティング2023 オンデマンド配信

「協業によるモノづくりの革新」をテーマに行われたパネルディスカッションと、都産技研所有の技術シーズの紹介、外部機関による発表をご覧いただけます。※視聴には申請が必要です。

日時:2023年11月27日(月曜日)から12月26日(火曜日)

ウェブサイト: https://cm2023.iri-tokyo.jp/(外部リンク)

【プログラム】

  • パネルディスカッション「協業によるモノづくりの革新:パートナー選びから戦略設定まで」
  • 研究員による技術シーズ紹介
  • 外部機関による発表(一部当日会場発表のみのテーマあり)

 

(外部リンク)

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