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縫い目の滑脱

印刷用ページを表示する 更新日:2018年1月5日更新

縫い目の滑脱が生じている分を示す写真

解説

素材

素材はどんな素材にも起こりうるが、フィラメント糸で、繊度が小さく、織り密度の小さいものに発生しやすい。また縫製面から見ると運針数が粗いもの、縫い代にゆとりがないものは縫い目滑脱を生じやすく、縫い目や縫い代を芯地で補強したものは縫い目滑脱を生じにくい。なお、目寄れを生じやすい生地は縫い目滑脱を生じやすいと考えてよい。

外観

肩や脇、アームホールなど、着用時や洗濯時に外力が加わりやすい箇所に発生する。地糸切れや縫い糸切れによるものかどうかは、拡大観察により区別できる。

試験

縫い目滑脱は外観観察により縫い目滑脱と判断できるので、試験は事故品が縫い目滑脱を起こしやすい生地かどうかについて行う。すなわち、JIS規定の滑脱抵抗力試験、繊度、織り密度の測定を行う。滑脱抵抗力試験、繊度については非破壊での試験はできないが、織り密度については試験方法「織り(編み)密度からの寸法変化率測定」の密度測定により非破壊で測定可能である。また、外観観察により縫製の状況(運針数、縫い代の幅とかがり縫いなどの処理の有無、補強の有無等)も確認しておく必要があるが、再現試験の結果が縫い目滑脱を起こしやすい生地かどうかの最も有力な判断材料となる。

なお、滑脱抵抗力の一般的な品質基準は縫目滑脱試験(B法)で3mm(薄手:49N、厚手:117.7N)以内といわれている。

 


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