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編み(織り)密度からの寸法変化率測定

印刷用ページを表示する 更新日:2016年12月19日更新

寸法変化を生じている場合、編織物の組織の目が詰まったり開いたりしている。したがって模様・柄間隔を測定したり、あるいは織り密度(単位長さ当たりの糸打ち込み本数)、編み密度(単位長さ当たりのコース数・ウェール数)を測定し、正常部(あるいは新品)と比較することにより、寸法変化の程度がわかる。

なお、寸法変化の発生原因を解明するには再現試験を行う必要がある。

 試験方法

原布と事故品を並べた写真

1)模様や柄がある場合は、原布および事故品について、その間隔や大きさを測定する。

 

事故品の写真

2)寸法変化率は以下の式で算出できる。

ΔL=(L2-L1)/L1×100

ここで、

ΔL:寸法変化率[%] L1:原布の間隔(大きさ) L2:事故品の間隔(大きさ)

この事例の場合、寸法変化率(ウェール方向)は
ΔL=(3.2-3.7)/3.7×100≒-14%(-は収縮を示す)
となる。

 

正常品と事故品を並べ、正常品にスケールを当てている写真

3)模様や柄がない場合は、拡大鏡(あれば実体顕微鏡)を用いて、単位長さ当たりのコース数(ウェール数)を数える。もちろん、単位コース数(ウェール数)当たりの長さを測定してもよい。

 

正常品と事故品を並べ、事故品にスケールを当てている写真

4)寸法変化率は以下の式で算出できる。

ΔN=(N1-N2)/N2×100

ここで、

ΔN:寸法変化率[%]

N1:原布の単位長さ当たりのコース数(ウェール数)

N2:事故品単位長さ当たりのコース数(ウェール数)

織物の場合は単位長さ当たりの打ち込み本数を数える。

 

編み(織り)密度からの寸法変化率は模様や柄の長さから求めた値に比べて誤差が大きいため、測定の際は、できるだけコース数(ウェール数)を多く取る必要がある。

 

 


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