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LED照明器具の光学特性および電気特性に関する考察

印刷用ページを表示する 更新日:2016年12月19日更新

岩永 敏秀[発表者] 、中村 広隆(光音技術グループ)、小林 丈士、枦 健一(電子半導体技術グループ)

1.はじめに

  高効率、長寿命などの特長からLEDを使った照明器具が注目を集めている。照明器具には、十分な明るさ、部屋の雰囲気を決める適正な色温度、物体の色みえの良さ(高演色性)、高効率などの特性が求められる。また、製品安全の観点から、電気特性についても十分に考慮する必要がある。本研究では、市販されている各種LED照明器具の光学特性、電気特性の評価を行い、LED照明器具を照明空間に使用する上での適性について考察を行った。

2.測定方法と結果・考察

  評価を行った照明器具は、今回、主に局部照明用に限定し、LED照明器具14製品(電球形、ダウンライト形、スポットライト形)、比較用として蛍光ランプ4製品(電球形、直管形)、白熱電球2製品の計20製品とした。
2.1 全光束および照度の測定
  全光束の測定には、球形光束計を用いた。全光束を値付けされた標準電球と試料光源の光出力を比較測定することで全光束を求める。照度は、照度計を使って直下照度を測定した。
  図1は、全光束および照度の測定結果から、光源効率(lm/W)と単位消費電力当たりの直下照度(lx/W)の関係を求めたものである。LED照明器具(電球形、ダウンライト形、スポットライト形)は、光源効率(lm/W)の点で、蛍光ランプに及ばないものが多いが、単位消費電力当たりの直下照度(lx/W)では、電球、蛍光ランプを上回っている。
2.2 配光測定
  光源または照明器具から放射される光の各方向における光度の分布を配光という。照明器具の配光の測定結果を図2に示す。ダウンライト形LEDの配光は、下向きに急峻となっている。電球形LEDについても電球や電球形蛍光ランプに比べて指向性が強く、照明器具の真下方向の照度が大きくなっている。このようにLED照明器具は、電球や電球形蛍光ランプに比べて指向性が強く、直下照度が大きい製品が多いため、空間全体を照らす用途よりもスポット照明的な用途により適しているといえる。
2.3 分光分布測定と演色性評価
  分光分布測定は、分光放射計またはマルチチャンネル分光器を用いて、光源から放射される光の波長毎のエネルギー量を測定する。演色性の評価(演色評価数)は分光分布から計算で求める。
  マルチチャンネル分光器を用いて測定した照明器具の相対分光分布を図3に示す。また、光源効率(lm/W)と平均演色評価数の関係を図4に示す。図3に示すように、LED照明器具は、異なる発光方式のものが市販されている。ここでは3種類の発光方式の製品を測定した。図4から、LEDの発光方式別に分類すると、紫外LED+RGB蛍光体のタイプ(Ra=98)、青色LED+RG蛍光体のタイプ(Ra=79から94)、青色LED+黄色蛍光体のタイプ(Ra=65から85)の順で平均演色評価数が高いことが分かる。また、平均演色評価数が高い照明器具ほど、光源効率が低くなる傾向を示している。JIS Z 9125では、照明される場所(作業)毎に演色評価数の推奨基準が決められ、その場所に適した演色評価数の光源を用いることが求められる。例えば、一般のオフィス照明では、平均演色評価数を80以上とすることが推奨されている。演色性と光源効率はトレードオフの関係にあるため、LED照明器具の設置に当たっては、使用環境や用途に適した演色性と光源効率のバランスを持った製品を選択する必要がある。

2.4 電気特性の測定
  本研究では、ノイズ特性を含めた電気特性の測定を行った。測定項目は、消費電力、力率、高調波、突入電流、雑音電力、雑音端子電圧、放射エミッションとした。各測定には、ハーモニックアナライザ、疑似電源回路網、EMIレシーバ、EMIクランプ、電波暗室(3m法)を用いた。
  LED照明器具のうち、高調波の規制値を上回るものが14製品中12製品と多く見られる。この原因は、力率が低く、電圧波形に歪みがあるためと考えられ、力率改善など回路設計への配慮が必要である。また、突入電流、雑音端子電圧、放射ノイズについて、基準を超えてしまう、または大きな値を示す製品が見られた。これらの項目は、配電系統や周辺の電気電子機器への影響が大きいため、十分な設計段階での配慮が必要である。

光源効率と照度の表
図1 光源効率と照度
照度は、光源の1m直下の測定値を示す
配光の測定結果の図
図2 配光の測定結果
分光分布の測定結果の表
図3 分光分布の測定結果
光源効率と平均演色評価数の表
図4 光源効率と平均演色評価数

3.まとめ

  LED照明器具は、従来光源との配光特性の違いや発光方式による演色性や効率の違いを考慮して使用する必要がある。電気特性については、ノイズ特性などの改善が望まれる。

  光音技術グループでは、青海本部に、球形光束計や分光放射計に加えて、配光装置、測光ベンチ、分光応答度測定装置などを導入して、照明に関する様々な光学特性評価のご要望に対応しています。皆様のご利用をお待ちしています。

 


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