ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > アーカイブス > 摩耗による損傷繊維の顕微鏡観察

摩耗による損傷繊維の顕微鏡観察

印刷用ページを表示する 更新日:2016年12月19日更新

摩耗による損傷繊維は独特の切断面を有する。したがって光学顕微鏡で切断面を観察することにより摩耗による損傷かどうかを確認できる。

 試験方法

試料を採取する様子を示す写真

1)実体顕微鏡(なければ拡大鏡)をもいちいて、ピンセットとはさみにより穴あき部付近の毛羽の先端を切り取る。

 

試料のプレパラートの写真

2)抜き出した糸を5mm程度とし、プレパラートを作製する。切った後、はさみで切り取った側に印(例えば朱肉や修正液)を付けると光学顕微鏡で観察するときにどちらを観察するかがわかりやすい。

 

穴あき側の切断端の顕微鏡写真

3)光学顕微鏡で観察する。通常の摩耗により損傷した繊維は毛先が割れてほうき状となっている(フィブリル化)。

 

穴あき側の切断端の顕微鏡写真

繊維の一方向のみから摩耗を受けた場合は、摩耗を受けた面のみ削り取られるため、切断面にフィブリル化は生じず、先細となっている。

なお、ウールの場合、薬品による損傷でも切断面は写真のような形状を呈する。この場合、外観観察や着用状況の調査、ヨウ化カリウムでんぷん紙による酸化剤の検出等の試験を行って判断する。

 

 


ページの先頭へ