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波打ち

印刷用ページを表示する 更新日:2018年1月5日更新

正常品と事故品を比較する写真

解説

素材

波打ちは様々な製品に見られるが、原因は表地または芯地のたて方向とよこ方向の収縮差がある場合に生じる。また、ネクタイの場合は前述の原因以外にも芯地が正バイアスに裁断されていない場合に生じる。

消費過程ではクリーニング時の(ランドリー、タンブル乾燥、アイロン・・・)収縮、雨や高湿度下にさらされたときの緩和収縮により生じる。したがって、基本的にはどんな素材でも起こりうるが、表地が天然繊維(再生繊維)の場合が特に多い。

また、ウールは高湿度にさらされると繊維が膨潤し、これにより糸が長さ方向に伸びる。この現象をハイグラルエキスパンションという。ハイグラルエキスパンションで伸びた糸は、乾燥状態に戻すと、元の長さに戻る。ウールの織物の場合は、緩和収縮以外にも、このハイグラルエキスパンションで波打ちを生じる場合がある。

外観

波は収縮した糸と同じ方向に発生する。写真の場合、右上がりの方向の糸が収縮している。なお、部位は雨やアイロンの場合は作用を受けた部位に生じるが、ランドリーやタンブル乾燥、高湿度にさらされた場合は全体に発生している。

試験

正常部または事故品と同等の生地があれば、織り(編み)密度からの寸法変化率測定より収縮が生じているかどうかを非破壊により確認できる。ただし、事故原因の推定については生地および芯地の正バイアスからのずれの測定やスチーム等による再現試験が必要とするため、破壊による検査を行う必要がある。

 


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