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新たなロボット産業の創出を目指して

学生のときに抱いた夢がもうすぐ実現

学生時代も今と同じくロボットに関連した研究開発に取り組んでいましたが、大学院での研究テーマは基礎的なもので、「自分の開発した技術が生きている間に社会実装されて、誰かの役に立つのだろうか」という葛藤がありました。そこで、大学よりも産業に近い場所で研究開発に取り組めるだけでなく、研究以外にも技術相談や依頼試験などを行うことで中小企業を直接支援することができる都産技研に魅力を感じ、就職を決めました。
 

2 0 1 0 年度に入所してから一貫してロボット開発に携わっています。先日、サービスロボットの開発に取り組む中小企業と共同で開発した日本初の屋外でも自律走行できる警備ロボット「セキュア・トーラス」が商業施設での実証実験を終えました。実用化に向けた最終段階に入ったことで、自分の開発した技術が社会実装される手ごたえを強く感じています。

都産技研とロボット製作会社である(株)カンブリアン・プロジェクトが開発した、日本初の屋外警備ロボット「セキュア・トーラス」

開発した基盤技術が想定外の分野で開花

「セキュア・トーラス」には、私が中心となって基盤研究で開発を進めた大型ロボットベース「トーラス」を使用しています。これは、中小企業のロボット産業への参入を促進するためのプラットフォームとして、都産技研が研究開発を続けてきた「T 型ロボットベース」の技術を発展させたものです。物流倉庫や工場、空港などの屋内での利用を想定しており、300kgまでの重量物を載せて自律走行することができます。また、重量物を運搬するため、安全面にも力を入れており、倒されにくく、安定しているといった特性もあります。
この特性に注目した企業から警備ロボットへの転用を提案いただき、駅構内での利用を想定した警備ロボット「ペルセウスボット」を共同で開発しました。トーラスの警備ロボットへの展開は、全く想定しておらず、自分たちだけでは決して出てこなかった発想でした。

それぞれの強みを活かして日本初のロボットを開発

この「ペルセウスボット」を見て、声をかけてくれたのが、「セキュア・トーラス」を一緒に開発することになる(株)カンブリアン・プロジェクトです。警備する場所を屋外に広げたこれまでにない警備ロボットの開発を目指し、「中小企業の5G・IoT・ロボット普及促進事業(当時)」の公募型共同研究開発の一環として2021年度から開発を開始しました。


気温や湿度、直射日光、暗闇など、外的要因の影響を屋内よりもはるかに強く受ける屋外で自律走行し警備を行う必要があるため、試行錯誤の連続でしたが、1年という短い期間で開発ができたのには、いくつかの理由があります。第一にロボットの基盤技術が都産技研にあったこと、第二に共同研究により企業と都産技研がそれぞれの技術を補完し合うことができたこと、第三に中小企業ならではの決断の速さとフットワークの軽さがあったことです。このように、それぞれの強みをうまく活かすことで大きな成果を生むことができたと感じています。

新たな産業を東京に根付かせるために

私が基盤研究で開発した技術が企業の目に留まり、当初は想像していなかった方向への広がりを見せていますが、これはまだ始まりにすぎません。現在は、警備ロボット以外にも、建設現場で活躍するロボットの開なども進んでおり、さらに広いフィールドでの活用を期待しています。 ロボット産業は、まだまだ未成熟で中小企業の参入も大いに期待できる分野です。引き続き、精力的に中小企業の参入を支援することで、都産技研が開発した技術を核とした新たなロボット産業を東京に根付かせていきたいと考えています。このように複数の中小企業と一緒に技術開発や製品化に取り組めるだけでなく、東京に新たな産業を創造するというスケールの大きな仕事ができる点も都産技研だからこそ味わえる醍醐味だと感じています。

※所属や名称等はインタビュー当時(2022年度)のものです。

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