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プロジェクト紹介1

印刷用ページを表示する 更新日:2018年12月3日更新

プロジェクト1.個体潤滑被膜の摩擦・摩耗機構の解明

プロジェクトメンバー二人の打ち合わせ画像
※所属・役職はインタビュー当時のものです

プロジェクトの要旨

一つの製品の可能性を追求し、生産現場に新たな息吹を吹き込む

企業が取り扱っている製品は、取引先の実機により評価されます。
今回のプロジェクトのパーカー加工様の実機はバイオや車のミッションやギヤボックスとなるので、簡単には実機試験をできません。しかも、新たに開発した製品が自社を含めた既存品よりも良い証拠を基礎試験により示さないと、実機試験まで持ち込めないというのが現状でした。
従来は基礎試験の評価結果が良ければ実機試験を行えましたが、現在は、なぜ良いかを説明できないと実機試験までには至りません。
今回のプロジェクトでは、自動車等の機械摺動部品に、耐焼付き性を向上させるために採用されるようになった「りん酸マンガン被膜処理」は、なぜ焼付きを防ぐのかを説明できるようにする事が目的でした。
そこで、実験と理論に基づいたメカニズムの解明や基礎データの構築に取り組みました。

プロジェクトの概要

このプロジェクトに関わる歯車の写真開発のきっかけ■
パーカー加工株式会社の中泉社長が、都産技研(技術分野)の研究員を以前から知っていたこともあり、当時問題となっていた本案件を相談されていたのが始まりです。相談内容から私が適当と考えられパーカー加工様に紹介頂きました。
改めて相談内容を聞くと、問題の解決策は私の専門分野(トライボロジー)で解決できることが分かり、また、ニーズの中にパーカー加工様の社員の当該分野におけるスキルアップも含まれていたので,共同研究が適当であると判断し、共同研究をスタートさせました。

共同プロジェクトの流れ
まずは、パーカー加工様が持っているデータを共有することから始めました。データを共有することで、企業内で実施できる実験や評価のレベルと担当者の研究に対する意識を知ることができるからです。幸いにして企業にある機器は今回の研究に適し、担当者の問題を解決しようとする意識も高いことが分かりました。
実験や分析がスタートしてからの打合せは、できるだけ企業側の実験施設で行いました。実機操作やデータ取得の方法についても議論するためです。また、メールのやり取りを活用して、データの整理方法も共有することにしました。
このように、実験と打合せを重ねる方法で、2つの目的を達成できるようにしました。

■共同プロジェクトで苦労した点■
企業の皆様が全社をあげての協力体制で本案件に取り組んで頂けましたので特に苦労したと言う事はありませんでした。
しかし、なぜ焼付きを防ぐのかを説明する事が出来ないと言う事に対して、化学系専門分野の知識を持った方が多い企業さんにおいて、機械的な考えを持つ私のような研究者(専門:トライポロジー)との共同研究・開発は全く未知の領域に足を踏み入れる感覚で少し戸惑いもあったのかも知れません。
後からお聞きした話ですが、鈴木様は、「油と摺動面の反応膜の考え方は新鮮でした」と仰られていました。このように専門分野ごとの着眼点や仮説の発想を知ることができるところに、共同研究の醍醐味があるのかもしれません。

 

 

プロジェクトの感想および今後の目標

プロジェクトメンバー中村健太写真一つの企業の製品の行く末に関わる研究に取り組む事ができ、都産技研の職員として大きな誇りを感じています。
この共同研究を通じて、工学分野の研究者としての責任を学ぶことができました。そして、生産現場の熱い思いと一つの製品に懸けるこだわりを肌で感じました。日本のものづくりを支える原点に携わる事が出来たのも都産技研に所属していたからこそと思っています。
企業様にとって都産技研との共同研究は有意義であるかもしれませんが、私も多くの気付きと学びを現場で体感できた貴重な時間でもありました。これからは、多種多様にそしてジャンルに縛られない発想と着眼点で日本のものづくりを研究で支えていきたいと考えております。
開発本部 開発第一部 機械技術グループ 中村健太


プロジェクトメンバーパーカー加工株式会社鈴木滋氏写真共同研究で油種による反応膜生成により摺動性能が変わることや弊社のりん酸マンガン皮膜処理の摺動性能差は油を保持するエッチングピットに寄与する事が解明出来ました。これらの解明された知見と実証データを基に、現在幾つかの自動車部品会社に弊社処理を提案し、従来最強と言われるフランス製「表面処理」よりも高品質の処理と好評価を受けています。
自動車業界は一層の低燃費化を図る為に、さらなる耐焼付き性のある表面処理を求めています。このニーズにお応えするため、理論に基づく弊社製品の改良と実証データを都産技研さんと共同研究を進めさせて頂き、日本の自動車産業の優位性に貢献することに注力していきたいと思っております。
パーカー加工株式会社 技術本部 鈴木滋


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