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海外規格Q&A「欧州RoHS指令」CE一般

印刷用ページを表示する 更新日:2017年12月1日更新

TokyoLogo本ページのQ&Aは、東京都委託の「平成28年度海外展開技術支援『海外規格適合化の普及啓発』事業」により作成しました。

欧州RoHS指令 : CE一般

Q.10  RoHS(II)指令が求めるCEマーキング対応はどのような内容でしょうか?

 RoHS(II)指令(2011/65/EU)においてCEマーキングの要求事項が加わりました。
2013年1月3日以降に上市する製品に対して、CEマーキング制度(決定 No.768/2008/EC)が適用され、RoHS(II)指令対象製品はCEマーキングにより、RoHS(II)指令 適合の表示が義務付けられました。
 CEマーキング導入の背景は、RoHS指令の適用範囲が不明確であることや適合性評価方法や市場監視の手法において加盟国間に差があることによりRoHS指令不適合製品が少なからず存在することに対する対応でもあります。
生産者の義務として、新たに技術文書の作成や附属書VIに記載された適合宣言書の提出(上市する国が要求する言語にて記述)とCEマークの貼付などCEマーキングに関連する義務が追加されています。
 CEマーキング対応に伴い、生産者が何をすべきかを以下に解説します。
  RoHS(II)指令ではモジュールA(内部生産管理)が指定されており、指令の要求事項に製品が適合していることを生産者自らが宣言する必要があります。そのためには、生産者の設計から製造に至るすべての生産活動がリスクベースで適切にコントロールされ、非含有のしくみができていることを自らが保証する必要があります。その適合性を証明するためにRoHS(II)指令の整合規格であるEN50581に基づき、次の要素を含めた技術文書の作成が求められ、必要に応じて維持・管理し、上市後10年間の保管が必要になります。

  • 製品の全般的な説明
  • 材料や部品、および/または(and/or) 半組立品に関する文書
  • 技術文書と符合する製品中の材料や部品、および/または(and/or) 半組立品の間の関係を現す情報
  • 技術文書を確立するために使われていた、またはそのような文書が参照する整合規格のリスト、および/または(and/or ) 他の技術仕様

 このようにCEマーキング対応として、内部生産管理と技術文書から製品の適合性を自社で保証し、適合性宣言書により適合宣言を行った上で、CEマークを貼付することが必要となります。ただし、CEマークを貼付するということは、製品に該当するすべての関連指令に適合していることを宣言したことになります。多くの電気・電子製品の場合であれば、従来から、EMC指令や低電圧指令などに適合するため、CEマーキングに対応されているものと想定されます。その場合には既存の取り組みに、RoHS(II)指令が求める管理や技術文書の要素などを組み込むことになります。

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Q11. 製品には従来より他指令への対応としてCEマークを貼付していますが、RoHS(II)指令に適合していることを示すRoHSマークの貼付が別途必要なのでしょうか?

 RoHS(II)指令では独自の適合マークは制定されていません。CEマークの貼付は、RoHS(II)指令をはじめとしたEMC指令、LVD指令等、製品が該当するすべての規制に適合していることを意味します。
 RoHS(II)指令では、指令の要求に適合することを確認した上で技術文書を作成し、製品の売買のための共通枠組み(決定No.768/2008/EC)の附属書IIのモジュールAに従い、内部生産管理手続き(設計から生産まですべての生産活動の適合性を自己で評価する)を実施したうえで、適合宣言書を作成し、CEマークを貼付することを義務としています。
またRoHS(II)指令FAQ(外部リンク)の8.12項では、CEマーク以外の任意のRoHSマークを持つことができるかという問いに対し、「2013年1月2日からは、CEマークがRoHS(II)指令の要件を満たす製品の適合性を証明する唯一のマークである。規則(EC)No.765/2008に従い、第三者にCEマークと誤解を与えるような印や記号や表示は禁じられなくてはならない。」と回答しています。
 本質問では既にCEマークを貼付しているということですが、RoHS(II)指令の対象である電気電子機器で、前段に示したRoHS(II)指令の要求事項に基づいてCEマークを貼付している場合には、それ自体がRoHS指令への指令適合を証明することになるため、他のマークの貼付は不要です。
 一方で、電気電子機器に該当しない製品、部品、材料やEUへの出荷しない電気電子機器において、カタログやパッケージなどに独自のRoHS指令対応マークを表示する例があります。これはCEマークと誤解を与えなければ、独自にRoHS(II)指令対応品を意味するマークを作成し、使用することは禁止されていないことによります。

 CEマークを貼付するということは、該当するすべての指令に適合していることも意味します。他指令の適合により従来からCEマークを貼付しているものの、上記のRoHS(II)指令適合の手続きをしていない場合、不適合と判断されます。不適合が当局に確認された場合、市場からの引き上げや実刑、罰則の対象となることもあります。RoHS(II)指令に続き、EMC指令、低電圧指令なども2016年4月よりNLF(New Legislative Framework)の枠組みが適用されています。NLFは適合宣言書や技術文書の項目の統一や制度の簡素化を図るなど、有益な枠組みである一方、市場監視が強化され、違反に対して厳しい運用となっています。
 RoHS(II)指令ではカテゴリー別の対象時期や適用除外用途の有効期限が決められており、さらに特定有害化学物質の追加や見直しも行われます。そのため、CEマークを貼付している製品が最新の各種指令に則しているかという点には十分に留意することが必要です。

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Q12. 最終製品ではなく、電子部品(ヒューズ・スイッチ等)もCEマークの貼付や技術文書の整備などの対応が必要なのでしょうか?

 部品単体でEU市場に上市するものでなければ必要ありません。その部品を組み込んだ最終製品を上市する組立メーカーが技術文書を整備する必要があります。ただ、その最終組立メーカーが製品をRoHS(II)指令に適合させる場合は、供給元の部品メーカーに、使用部品についてEU適合証明書の発行を求めることが多くあります。
 また、後にその部品単体を保守部品としてEU市場に上市するケースが考えられますが、その場合はCEマークの貼付や技術文書の作成が必要になる場合があります。一口に電子部品といっても、複数の部品で構成されるものもありますので、個別に検討が必要です。例えば、ハードディスク装置はパソコンメーカーからすれば一つの部品ですが、ハードディスクメーカーにすれば最終製品ですし、それを自社で単体販売することも行われています。後者の場合は自社でCEマークを貼付する必要があります。
 電子部品に関わりの深いニューアプローチ指令に基づく指令は主に、「電磁環境両立性(EMC)指令」「低電圧指令(LVD)」「ラジオ・通信端末設備指令」「RoHS(II)指令」等があります。以降、部品個別に解説します。

(1)ヒューズ
一般的なヒューズは定格以上の電流が流れると合金部分が溶断するタイプが多く、特に合金部分がRoHS(II)指令に該当する可能性がありますので、RoHS(II)指令で定める特定有害化学物質が閾値以上含まれていないか確認する必要があります。だだ、競合他社の部品が「CEマーク付き」となっている場合、対応を求められがちです。
次に溶断したことを知らせる回路が付いているなどの能動部品を含むヒューズ(コンポーネント)がありますが、その場合は低電圧指令やEMC指令に該当するか確認する必要があります。

(2)スイッチ
スイッチもヒューズと同様に、まずRoHS(II)指令で定める特定有害化学物質が閾値以上含まれていないか確認する必要があります。(特に接点部分など)また「スイッチ」と呼ばれる部品は、他の制御回路やランプを含んでいるものもありますので、ヒューズと同様、低電圧指令とEMC指令に該当するかを確認します。

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Q13. シリーズ化した製品であっても、個々の製品ごとに適合宣言書や技術文書などを作成することが必要なのでしょうか?

 シリーズ化した製品で下記のような違いの場合は、EU適合宣言書や技術文書をまとめて記載することは可能です。

  • 外観は同一だが、内部ソフトウェアの相違から機能の違いがある。
  • 外付けアダプタを交換することにより機能を変えることができる。
  • 最上位機種から最下位機種のシリーズで、最上位機種をベースにして部分的に機能を削ることで安価な製品シリーズを構成している製品。
    (例えば、筐体や外観はほぼ同一だが、操作パネルのスイッチを省いて機能を削除しているような製品など)

 CEマークの貼付や技術文書の作成は、「製品マーケティングの共通枠組みに関する欧州議会および理事会決定No.768/2008/EC」(以下:768/2008/EC)で規定されています。768/2008/ECでは第5条でEU適合宣言書にはその製品に該当するすべてのEU法令を記載する旨が記載されています。例えば、電気・電子機器であればEMC指令、低電圧指令、RoHS指令の記載が必要となります。さらに、768/2008/ECの付属書IIIではEU適合宣言書には製品の識別番号(シリアル番号、ロット番号、型式等)を記載することにより、追跡可能であることを要求しています。
 次に、シリーズ化した製品に関してはブルーガイド(外部リンク)2016の2.1項に「組み合わせ製品の製造者は、関係法令に適合するように製品を組み立て、組立品、EU適合宣言書ならびにCEマーキングに関する法令の要求を満たすために、組立品を構成する適切な製品を選択する責任がある」旨が記載されています。つまり、そのシリーズ製品の使用上考えられる組み合せ、もしくは1つの完成品である場合はシリーズ全種類において、その製品に該当するすべてのEU法令に準拠していることの確証が必要となります。その結果、EU適合宣言書や技術文書をまとめて記載することが可能となります。しかし、例えば外付けアダプタの材質が明らかに異なっているような製品は、個別にEU適合宣言書や技術文書を作成したほうが無難です。
 第三者から見て、シリーズ化した製品の違いにより適用するEU指令も異なると判断されるかどうかが重要なポイントです。
 ただし、そのシリーズ品のいずれかがリコールになった場合は、同一のEU適合宣言書に記載している製品すべてが対象になるリスクも考慮しておく必要があります。また、トレーサビリティの観点からは、製品の対象を広範囲にすると管理が困難になることも考慮する必要があります。

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Q14. RoHS(II)指令の技術文書として、どのような内容が求められるのでしょうか? 従来から作成していた技術文書とは異なるのでしょうか?

(1)技術文書に求められる内容
 RoHS(II)指令の技術文書の整合規格であるEN50581(有害物質の規制に関する電気・電子機器の評価のための技術文書)は、「このEU規格は、製造者が該当する物質規制の順守を宣言するために整備する必要がある技術文書を定めたものである。」とあり、次の要素を技術文書の内容に含めることを要求しています。

  • 製品の概要
  • 材料、部品、半組立品がRoHS(II)指令に適合している確証
  • 材料、部品、半組立品とRoHS(II)指令に適合している確証との関係を示す情報
  • 技術文書を作成するにあたり使用した整合規格もしくは、その他の技術仕様

 RoHS(II)指令の場合は、その製品に使用している材料、部品、半組立品などの1点1点に特定有害化学物質が含有されていないかを証明することを重視した内容になります。また、その製品に使用している材料、部品、半組立品などだけではなく、製造工程からの特定有害化学物質の混入がないことを保証する必要があります。
 また、RoHS(II)指令では「製造者は、要求されている技術文書を作成し、決定 No 768/2008/EC の附属書IIのモジュールA に従い、内部生産管理手続きを実施するかまたは実施させること。」としています。附属書IIでは以下の要素を含めることとされています。

  • 製品の概要
  • 構成部品、組立品、回路などの構想設計、製造図および図解
  • 製品の製造図および運用を理解するために必要とする説明および解釈
  • 整合規格および/または (and/or) 既に「EU官報」に開示された評価基準の全部または一部に適用するその他関連技術仕様
  • 設計計算、実行した検査などの結果
  • 実験レポート

(2)従来の技術文書との相違
 基本的な要求は同じです。ただ、以前はEMC指令の中で、TCF(Technical Construction File)と呼ばれていましたが、改正EMC指令(2014/30/EU(2014年3月29日))で、RoHS(II)指令と同じようにTD(Technical documentation)と改定されました。技術文書の記載内容は、各EU指令により要求が異なります。しかし、「製品の概要」は各EU指令とも共通ですので、技術文書にはその製品に適用されるすべてのEU指令をまとめて記載することが推奨されています。(例:電気・電子機器であればEMC指令、低電圧指令、RoHS(II)指令)適合宣言書は、一つの適合宣言書に適用した指令と整合規格をすべて記述します。

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Q15. 小さな製品でCEマークが製品に貼付できない場合にはどうすれば良いでしょうか? また、技術文書は紙で常備しておかなければならないのでしょうか?

(1)CEマークが製品に貼付できない場合
 CEマークの形状は規則765/2008で、「最小寸法は5mm、縮小/拡大する場合は相似形である必要がある。」と規定されています。
 「CEマーキングは、製品またはその製造銘板に見やすく、読みやすく、消えにくいように表示する。」こととなっていますが、「物理的に不可能な場合は、梱包、同封の文書に表示する。」こととされており、例えば梱包箱、取説にCEマークを表示しても良いことになっています。
(2)技術文書の常備方法
 ニューアプローチでは技術文書に関して以下の事項を規定しています。

  • 原産地に限らず製品が上市される際に準備されていること。
  • 製品の上市後10年間保管しなければならない。
  • 上市された加盟国の求める1つ以上の言語に翻訳されているものとする。

 さらにメーカーに課せられた規定ではありませんが、規則(EC)No.765/2008の「第27条 欧州共同体市場に入る製品の管理」では、「当局が以下の何れかを発見した場合、欧州共同体市場での自由流通のために、製品をリリースすることを一時停止しなければならない」旨が記載されており、そのうちの1項として「製品に関連する共同体整合法令で要求される書面または電子的文書が添付されていない、またはその法令に従った表示がない」ことが記載されております。
 このことから、基本的に製品に付随してEU適合宣言書を準備しておく必要があるといえます。なお技術文書は上記のように紙ファイルである必要は無く、CD-Rなどの電子媒体でも認められます。技術文書は当局の要求で10日間(2週間)以内に提出しなくてはなりませんので、製造元(日本)では紙ファイルで常備しておくことが理想です。
技術文書は10年間保管する義務がありますが、同時に、RoHS(II)指令第7条e項には、「製品設計または特性の変更や電気・電子機器の適合を宣言する際に使用した整合規格または技術仕様の変更を適切に考慮する」とあり、変更管理を行い、技術文書に反映させなくてはなりません。
 同時に、この変更管理によって適合宣言の変更が必要となる場合があります。再宣言の際の参考として、ISO/IEC17050-2(供給者適合宣言-第2部 支援文書)5.3項に、「適合宣言の妥当性に影響を与える変更があった場合はそれを文書化しなければならない」とあります。設計変更検証の手順のなかに、「適合宣言への妥当性の影響」評価を入れる必要があります。

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