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4.光ルミネッセンス法による照射食品の検査技術の開発(事後評価)

印刷用ページを表示する 更新日:2016年12月19日更新

 

実施期間:平成17年4月から2年間

研究目的

殺菌、発芽防止等のため放射線照射を行っているが、日本ではジャガイモの発芽防止を目的とした放射線照射以外は認められていない。照射食品検査技術の確立と普及を通して食品の安全・安心を実現するため、本研究では時間と経費の掛かる熱ルミネッセンス(TL)法とは別に、より簡便で迅速な照射判定ができる光ルミネッセンス(PSL)装置を改良し、その特性を調べた。食品製造及び輸入業者や行政などからの迅速な検査法の要請は強い。この方法は特別な試験室を必要とせず現場で実施できるため製品の輸入、輸送時の事前チェックにより経済的損失を防ぎ、TL法による確認試験の実施も低減できる。

研究成果

  1. 照射した粉末試料を4、25、50℃で5ヶ月まで保存し、発光量の変化を調べた結果、高温保存ほど発光量の減少は大きく、かつ2ヶ月程度までは発光量の減少がみられた。しかし、それ以降は一定の発光レベルとなり判定は可能であった。
  2. 照射したパプリカ、ローズマリーについてESR法と比較した結果、PSL法の方が低線量で照射されたサンプルでも判別ができ、感度の高いことが明らかになった。
  3. 励起光源の近赤外光LEDの波長及び出力、パスル間隔、フィルターセットの組合せ、励起光源と試料容器との幾何学的配置、ルミネッセンス波長選択のためのフィルターセットと励起光源からの迷光を防ぐ遮蔽板の配置などを改良し、平成17年度に試作したプロトタイプのバックグラウンドを1/50以下に低減し、高感度のシステムにすることができた。このことにより、平成18年7月に特許実施許諾契約を結び、9月よりPSL装置を販売した。
  4. 黄砂、黄土、石英閃緑岩、長石等の標準岩石について発光量と保存期間の相関を調べた結果、黄砂、黄土比べ石英閃緑岩は約5倍、長石は約50倍程度発光能が高く、いずれの試料も1kGy以下の線量域では線量に対して発光量は直線的に増加することがわかった。

評価および意見 

[A3B1]

  • 研究開発は順調に進展しており、装置開発や多くの依頼試験が実施されている。
  • 標準試料の作成が今後の展開のポイントとなると思われるので、法規制の流れや海外との関係にも留意しながら、一層の進展を図ってもらいたい。
  • 信頼性ならびに精度の向上を目指して、さらなる発展に期待したい。
  • 光ルミネッセンス法と熱ルミネッセンス法との測定誤差や定量化等の問題・課題は残るが、実用化の販売実績は評価できる。
  • ISOの標準に近づかなければ国際的に通用しないので、まず、JIS等で公定法としての採用が急務である。

 


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